米テキサス州議会は20日、トランプ米大統領が支持する共和党主導の新たな州内選挙区割り案を承認した。来年の中間選挙で民主党が保持する連邦下院議席5議席の奪還に向け、共和党を有利にする狙いがある。民主党の州下院議員数十人は定足数を欠かせるため州を離れる戦術を取り、審議を一時的に阻止していたが、登院を再開したことで可決に至った。 米テキサス州議会下院の共和党議員たちは20日、来年の中間選挙で民主党が保持する連邦下院5議席を奪還すべく、選挙区割りの再編を前進させた。そこに至るまで州下院の議場では、共和党と民主党の議員による激しい対立が繰り広げられた。 民主党議員 「新たな選挙区割りの地図に関して、公聴会が開かれていないし、これからも開く必要はないというのか。何が進められているのか州民に開かれた形が望ましいのではないか?それとも密室で進めたいのか?」 共和党議員 「(民主党が欠席戦術を取ったことを皮肉って)あなた方は18日間も『密室』にこもっていたではないか」 民主党議員 「それは今の議論に関係ない」 共和党議員 「いや、関係ある」 民主党議員 「関係ない」 民主党議員らは、トランプ大統領が支持する共和党の選挙区割り案に対し、多くの異議や質問を突きつけた。 民主党議員 「いとも簡単にテキサスの有権者から判断する権利を奪ってしまっている。私の地元であるテキサスでは、独立心と自己決定権を誇りにしている。有権者自らが判断できないような区割り案を受け入れる理由はどこにもない」 民主党 ターナー州下院議員 「この違法で不正に仕組まれた異例のタイミングでの区割り変更が、我々の州と国を分断しているのを見るのは胸が張り裂ける思いだ。ここはテキサスであって、ワシントンではない」 ターナー議員は今月、議会の定足数を足りなくするため他の民主党議員らとともに州を離れるという強硬手段に出た。これに対し共和党は、民主党議員団を議場に戻させるため職務停止を求めて提訴したり、逮捕状を請求するという力技で対抗した。 州上院では別の区割り案が採択されており、今後両院のすり合わせが必要だ。 今回のテキサスでの動きは全米で区割り論争を引き起こしており、共和・民主両党の他州知事も同様の措置に踏み切る可能性がある。