容疑者の勤務先社長「真面目で丁寧な勤務態度」 神戸女性殺害

谷本将志容疑者(35)は、東京都新宿区の配送関係の会社でドライバーとして勤務していた。関西出身といい、事件があった20日はお盆休みで帰省中だったという。勤務先の男性社長(55)が取材に応じ、「いまだに犯罪を起こすような人間だとは信じられない」と声を震わせた。 社長によると、谷本容疑者は2023年5月に入社。大手求人サイトを通じて採用面接の申し込みがあった。言葉遣いが丁寧で、真面目な印象だったという。 4畳半ワンルームの新宿区内の社員寮に住み込み、毎朝午前6時ごろに出勤。トラックで都内の取引先に荷物を運んでいた。効率的な配送ルートを自ら提案するなど仕事への姿勢は前向きで、取引先からの評判は良く、苦情は一度もなかった。社長は「貴重な存在だった」と評価していた。 容疑者は、22年12月まで神戸市内の建設会社に10年ほど在籍していた。上京した理由は「悪い友達と縁を切りたかったから」と話していたという。入社時に借金が300万円ほどあり、「親の介護費用に充てている」と説明。月約30万円の手取りの給料から、毎月5万円を前借りしていた。 今月17~21日が夏季休暇で、地元の関西に帰省すると話していた。だが21日になっても寮に戻らず、社長が送ったスマートフォンのショートメッセージにも返事はなかった。 22日夜に殺人事件のニュースが流れ、谷本容疑者の名前や顔がテレビに映り、逮捕されたことを知った。「事件が本当なら、会社や仲間、取引先への裏切りで、被害に遭った女性のことを思うと許せない」と憤った。【松本ゆう雅】

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