日大アメフト有志の会が2部リーグ所属に不服で仲裁申し立て…甲子園ボウルまで最短2年要し、3年生以上は夢途絶える

6月17日の関東学生アメリカンフットボール連盟理事会で、新規加盟が認められた「日大アメリカンフットボール有志の会」の選手が、2部リーグ所属となった件を不服とし、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に仲裁申し立てを行うことが24日、分かった。申立書は26日にも提出される見通し。有志の会は、不祥事のため廃部となった日大アメフト部の後継組織で、問題に関与していない元部員、新入生の受け皿として24年5月から活動している。 申し立ては主に2つで、2部所属の取り消しと、1部リーグ所属とすること。理由について、2部では大学日本一を決める甲子園ボウル出場には最短でも2年を要するため、不祥事に関係のない3年生以上の選手が出場できず、夢が絶たれるなどとしている。 また、競技力なども考慮して2部所属とされたが、今年5月の公開試合では、昨年の関東リーグ優勝、甲子園ボウル準Vの法大を41―0で破るなど競技力は高い。2部所属選手とは体格差もあり、けがのリスクも考えられるとしている。 甲子園ボウル21度制覇の名門・日大アメフト部は、23年8月5日に部員の1人が覚醒剤取締法違反および大麻取締法違反の疑いで逮捕され、同日に無期限活動停止に。その後、複数名の部員が違法薬物所持・使用の疑いで逮捕された。大学側は、同11月に廃部を決定し、24年2月には関東学生連盟を脱退していた。ある3年生部員はこの日までに「日本一になるために日大に入りました。2部と聞いた時は辞めようと思いましたが、光があるのなら」と悲痛な思いを口にした。 ◆日大アメフト部の不祥事の経緯 ▽22年11月 部員が大麻使用を自己申告。 ▽23年8月5日 覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反の疑いで3年生部員を逮捕。部は同日から無期限活動停止し、学生寮も閉鎖された。 ▽同10月16日 麻薬特例法違反容疑で新たに部員が逮捕。 ▽同11月28日 日大はアメフト部の廃部方針を決定。 ▽24年2月15日 関東学生連盟から脱退。 ▽同5月17日 後継組織「アメリカンフットボール有志の会」が発足。 ▽25年2月19日 関東学生連盟に再加盟を申請。 ▽同年6月17日 関東学生連盟の新規加盟が認められる。所属は2部リーグ。 ◆関東学生リーグ 1部リーグのTOP8とBIG8、2部リーグ(Aブロック、Bブロック)、3部リーグ(AブロックからDブロック)、医科歯科リーグなどからなる。甲子園ボウルに出場できるのはTOP8の上位3校。2部リーグのチームが甲子園ボウルに出場するためには、1部リーグと2部リーグの入れ替え戦に勝利し、1部リーグのBIG8に所属。翌年のBIG8で1位か2位に入り、TOP8とBIG8の入れ替え戦で勝利し、翌々年にTOP8に所属し、上位3校に入ることが必要となる。

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