8月20日、神戸市中央区で撮影された防犯カメラの映像。リュックを背負った男が道路を横切り、ビルの入口の様子を伺います。その直後、3人組の女性らがビルから出てきました。 3人組の女性らは交差点で二手に分かれると、約10秒後、男は1人になった女性のあとをつけていきます。この男とみられるのが殺人の疑いで逮捕された、東京・新宿区の会社員・谷本将志容疑者(35)です。 神戸市中央区にあるマンションで住人の女性(24)の胸などをナイフで数回刺して殺害した疑いが持たれています。 警察によりますと、片山さんはオートロックの扉が閉まる前にマンションに入ってきた谷本容疑者にエレベーター内で襲われたとみられています。 女性の同級生は「優しい子だった」と当時を振り返ります。 (女性の小学校の同級生)「すごく仲良くしてくれて、小学校の時も登下校とか、もともと自分が一緒行く子がいなくて一緒にいってくれたりしてくれたりした。放課後も一緒に遊ぼうって遊んでくれたりすごくいい子だった、(Q亡くなったことについて)正直びっくりしました」 谷本容疑者は調べに対し、「殺意を持っていたか分かりませんが、ナイフで腹部のあたりを一回か二回くらい刺したことに間違いありません」と供述しているということです。 谷本容疑者は事件を起こした後、新神戸駅から新幹線に乗って東京方面へ向かったことが分かっています。その身柄が確保されたのは、東京・奥多摩町でした。 谷本容疑者が確保される20分ほど前、容疑者とみられる男が映った防犯カメラの映像を見ると、男が映った14分後、捜査車両が男が進んだ方向に急行している様子が映っていました。 片手に袋を持ちながら、落ち着いた様子で歩いていた男。この後、警察に確保されました。 (確保を目撃した人)「男の人が叫んでいたっていう感じで、刑事が押さえていた。暴れている感じはした、はじめのうちは」 現場から370キロ以上離れた東京都内で逮捕された谷本容疑者。捜査関係者への取材で事件前から当日の谷本容疑者の足取りが見えてきました。 谷本容疑者は事件3日前の8月17日から休暇をとり、神戸市内にある現場近くのホテルに滞在していたということです。 捜査関係者によりますと女性は20日午後6時半ごろ勤務先を退勤し、郵便局へと向かったといいます。その後、西元町駅から阪神電車に乗り、神戸三宮駅で下車。スーパーで買い物をした後ポートライナーの貿易センター駅で降りて自宅マンションへ向かったとみられます。 捜査関係者によりますと、片山さんの勤務先近くの防犯カメラには退勤時刻とほぼ同じ時間帯に谷本容疑者とみられる男の姿が映っていたということで、谷本容疑者は女性を50分以上にわたって尾行し続けた可能性があります。 さらに、逮捕後の取り調べに対し、片山さんについて「全く知らない人です」と話していたことが分かりました。警察は谷本容疑者と女性に面識がなかった可能性があるとみていますが、関係者への取材で谷本容疑者の人となりが少しずつ見えてきました。 谷本容疑者は、2022年まで神戸市内の建設会社で勤務していました。 (建設会社の元同僚)「激高するタイプでもなければ、現場でケンカしたり途中で仕事をほったらかすタイプでもない」 その後、2023年からは東京・新宿区でドライバーとして働いていました。23日、勤務先の社長がMBSの取材に答えました。 (谷本容疑者が勤めている会社の社長)「勤務態度もまじめで、お客様からもすごく評判がよくて。お盆休みに入る時に小さいスーツケースを持って”行ってきます!”という感じで、笑顔で出て行ったと社員から聞いています。まさか殺人事件とかね、本当に裏切られたという気持ちでいっぱいです」 勤務先に見せていた姿と犯行前の足取りから見えた被害者に執着する行動には大きな隔たりがあります。警察は谷本容疑者の動機の解明を進めています。