7月の参議院議員選挙で、自民党の比例代表として立候補した阿部恭久氏を当選させる目的で、投票の見返りに現金を渡す約束をしたとして、公職選挙法違反(買収罪)の疑いで、警視庁や鹿児島など1都7県の合同捜査本部は26日、鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」の社長ら6人を逮捕しました。 逮捕されたのは▼韓国籍で東京都港区の会社役員・李昌範容疑者(50)▼千葉県市川市の会社員・湯浅一行容疑者(46)▼鳥取県米子市の会社員・小西悌之容疑者(44)▼埼玉県川口市の会社員・森本梓容疑者(44)▼韓国籍で東京都板橋区の会社員・文泰成容疑者(44)▼鳥取県境港市の会社員・佐々木章子容疑者(53)です。 警察によりますと、李容疑者らは7月20日投開票の参院選に、自民党の比例代表で立候補した阿部氏を当選させるため、パチンコ店の店長と共謀し、店員ら60人に投票の見返りとして現金4000円または3000円を支払う約束をした疑いがもたれています。 李容疑者はパチンコ店「デルパラ」の社長で、今年1月に買収した鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」の社長も務めています。 李容疑者の指示を受けた湯浅容疑者と小西容疑者が公示直前の7月上旬、ウェブ会議を開き、鹿児島市内の8店舗を含む全国31店舗の店長に対して阿部氏を応援することや、阿部氏に期日前投票することを店員らに呼びかけ、その見返りの「残業代」としてアルバイトに3000円、従業員に4000円を支払うよう指示したということです。 鹿児島県警によりますと、モリナガも含めた全国の従業員あわせて250人以上に報酬を約束していたとみられています。 阿部氏は全国のパチンコ店でつくる業界団体の理事長を務めていて、参院選ではおよそ9万票を獲得し、落選しました。 警察は6人の認否について明らかにしていません。