進化する通訳センター 68言語に24時間対応 警視庁150年 86/150

「現代の警察官にとって、外国語の必要性は海外旅行に行くためにちょっと知っていれば便利という程度のものではなく、最早(もはや)仕事の上での必需品です」(『自警』平成3年7月号) 来日外国人や外国人犯罪の増加に合わせ、多言語への対応を求められた警察。平成元年4月、警視庁は複数の部署に分かれていた通訳職員を集約し、通訳センターを開所した。事件の取り調べや外国人からの相談の通訳、翻訳業務などに24時間体制で当たっている。 センターには、通訳専門の職員と、高い語学能力を持つ警察官など約60人が所属(令和6年9月現在)。取り調べや逮捕の現場に赴いて通訳するほか、証拠品の翻訳や、外国人から通報があった際の電話通訳、警察官への語学指導や国際会議への出席も行う。 発足当初の対応言語数は部外通訳者も含めて20言語だったが、現在は部外通訳者も約320人となり68言語まで増加。需要が高い中国語、英語、交流が盛んになっている東南アジアの言語を中心に、スペイン語やペルシャ語など多様な言語の通訳体制を整えている。 二重明通訳センター所長は「多国籍化が進む東京で、警察のあらゆる部門で通訳、翻訳業務の需要は増加している。今後も外国語対応に万全を期し、外国語能力を持つ警察官を育成するなど貢献していきたい」としている。(橋本愛)

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