事件3日前の“神戸入り”は物色目的か 容疑者、別女性尾行の疑いも

神戸市中央区のマンションで住人の会社員、片山恵さん(24)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された運送会社社員、谷本将志(まさし)容疑者(35)=東京都新宿区=が事件3日前の17日、別の20代女性につきまとっていた疑いがあることが捜査関係者への取材で明らかになった。容疑者は休暇でこの日に神戸入りしたばかりで、兵庫県警は滞在当初から複数の女性を物色していたとみている。 容疑者は職場のお盆休みを取得し、17日から神戸市中央区のホテルに滞在していた。 捜査関係者によると、谷本容疑者の滞在先ホテルに近く、事件現場とは別のマンションで17日午後10時ごろ、容疑者とみられる男性が住人の20代女性の後をつけていたことが判明。オートロック式の玄関ドアを開けて女性がマンションに入った後、扉が閉まらないうちに侵入するなど、片山さんが被害に遭った状況と酷似していた。 女性は男性に気づいて建物内で避難し、しばらくすると男性はいなくなっていた。けがはなかった。 一方、容疑者が少なくとも事件2日前の18日から、滞在先のホテルに近い片山さんの職場周辺を連日うろついていたとみられることも判明した。似た男性が、片山さんの会社が入るビルの出入り口をうかがう様子などが防犯カメラに記録されていた。 片山さんは事件が起きた20日、職場を午後6時半ごろに退勤し、電車を乗り継いで帰宅。容疑者は退勤直後から50分近くにわたり尾行したとみられる。 容疑者は午後7時20分ごろ、マンションのエレベーター内で片山さんの胸などを複数回ナイフで刺し、殺害した疑いがある。片山さんの後についてオートロック式玄関をすり抜け、一緒にエレベーターに乗り込んだとされる。片山さんのことを「全く知らない人だった」と供述。「殺意を持っていたかは分からないが、ナイフで腹部のあたりを1回か2回くらい刺した」と容疑を一部否認している。 県警は27日、容疑者が住んでいた東京都新宿区の社員寮を家宅捜索した。午前5時15分ごろ、捜査員4人が部屋の捜索を始め、約2時間後に段ボール2箱を運び出した。【柴山雄太、前田優菜、松本ゆう雅】

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