2025年8月28日に発売された『スーパーロボット大戦Y』が盛り上がりを見せていますが、「スパロボ」シリーズの大きな魅力といえば、原作では不幸な結末を迎えたキャラクターたちが救済される「原作改変」でしょう。 しかし、その逆パターンで、原作以上に悲惨な運命をたどるキャラクターも存在します。 ●原作では逮捕で済んだのに その代表格が、『闘将ダイモス』の「三輪防人(みわ さきもり)」です。 三輪は『闘将ダイモス』に登場する国連地球防衛軍太平洋本部司令長官です。極端な軍事至上主義者で、二言目には「非国民」を連呼し、戦わない民間人を「犬にも劣る」と罵る人物として描かれていました。 原作での彼の結末は、数々の作戦失敗と失言の責任を取らされて司令官を解任、それでも無断で無意味な攻撃を続け大損害を出し、最終的には主人公の「竜崎一矢」に叩きのめされて逮捕されるというものでした。確かに不名誉な退場ではありますが、命は失っていません。 ●作品ごとに違う死に様 ところが「スパロボ」シリーズでは状況が一変し、多くの作品で戦死してしまうのです。 『第4次スーパーロボット大戦』では、ティターンズに移籍した三輪がダカールで戦艦ダブデに搭乗してロンド・ベルと戦い、撃墜されて死亡します。 『第3次スーパーロボット大戦α』では、『機動戦士ガンダムSEED』の盟主「ムルタ・アズラエル」率いるブルーコスモスの一員となり、ヤキン・ドゥーエ攻防戦でジェネシスの直撃を受けて艦隊もろとも爆死。断末魔の叫びとともに爆死しました。 『スーパーロボット大戦MX』では、ゼーレの手先として登場し、ギルガザムネに搭乗(ただし操縦は捕虜のギガノス兵)して出撃するも撃墜され、脱出できずに死亡という呆気ない最期を遂げています。 ●「敵より邪魔な味方」の宿命 なぜ三輪はこれほどまで、原作よりも悲惨の死を遂げることが多いのでしょうか。その理由は「敵より邪悪な味方」という彼のキャラクター性にあるかもしれません。 スパロボでは分かりやすい嫌われ担当として機能し、主人公サイドからの人望はゼロ以下。民間人中心の部隊を快く思わず、度々圧力や恫喝をかける展開はお約束となっています。さらにクロスオーバー要素により、ティターンズやブルーコスモスといった過激派組織の幹部として違和感なく収まってしまうのです。 この「使い勝手の良さ」から、過去には一部ファンの間では「三輪長官が欲しくて『ダイモス』を参戦させているのでは?」とネタ的に言われることもしばしばありました。 興味深いのは、この扱いに対するファンの反応で、批判が出るどころかむしろ「よくやった」「今度はどんな死に方をするのか楽しみ」といった声も多く聞かれます。 これほどまでにファンからネタにされ続けているのは、彼のキャラクターが持つ特異な魅力の証拠といえるかもしれません。