(伊藤 薫平 キャスター) 「不信任決議案可決へ。田久保市長にとって、そして伊東市政にとって、運命の日を迎えました」 9月1日朝8時46分、静岡・伊東市の田久保真紀市長が登庁。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「おはようございます」 (記者) 「不信任決議案はどう対応されますか?」 (田久保) 「おはようございます」 きょうも何も答えずに、市長室に向かいました。 東洋大学「卒業」とした田久保市長の学歴詐称疑惑。 百条委員会の調査の末、9月1日、「刑事告発」と、「不信任決議案」が審議される事態に発展しました。 午前10時前…。 (伊藤 薫平 キャスター) 「田久保市長、これから議場に向かいます」 (職員) 「市長こちらです」 (伊藤 薫平 キャスター) 「田久保市長、やや早足で議場へと向かっていきました」 田久保市長は一礼して議場に入り、席に着くと。メディアが集まった傍聴席の方を眺める様子も。 そして午前10時に開会した伊東市議会9月定例会。 百条委員会の井戸委員長が、8回に渡った委員会の調査の結果を報告しました。 (百条委員会 井戸 清司 委員長) 「東洋大学から提出された追加の記録の存在がありますが、これをつぶさに確認することで、市長が大学を卒業したものと勘違いしていたとする主張自体がおよそ成立することはあり得ないことであると判定づけることができました」 委員会は、市長が繰り返してきた「6月28日に初めて除籍を知った」という発言を、明白に虚偽だと断定。その上で…。 (百条委員会 井戸 清司 委員長) 「市政の正常化や混乱の収束のために自らを律することもなく、行政調査に協力する姿勢も誠実さも見せないまま、自身の保護法益を最優先とする立場のもとに法律の解釈論に終始し抗弁するといった一連の対応は、事実究明や混乱の収束を望む市民や市議会を軽視したものであると言わざるを得ません」 そして…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「田久保真紀氏が正当な理由なく出頭を拒否し、記録提出を拒否し、証言を拒否し、及び虚偽の陳述をしたものと認め。告発することに賛成の諸君の挙手を求めます。挙手全員であります」 「出頭拒否」や「証言拒否」など4件について、地方自治法違反の疑いで刑事告発することが全会一致で可決。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「暫時休憩します」 市議会は一旦休会し…。 この間に、市の職員が、伊東警察署に向かい告発状を提出。即日、受理されたということです。 そして議会は午前11時すぎに再開。最後の議題は…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「市長に対する不信任決議を議題といたします」 (佐藤 周 議員) 「自己利益や保身に終始するがあまり、破たんした考えに至る田久保市長には、伊東市トップの職責を任せることができません」 (大川 勝弘 議員) 「連日の報道で、市長自身が全国の方から馬鹿にされているのにわかりませんか。田久保市長、あなたが辞める以外に、この混乱に終止符は打てないんです」 (篠原 峰子 議員) 「市長が所信表明で強調された、真意のためという言葉は、市民の不安と分断、分断を招いている現状を見ると、到底、実現実感できるものではありません」 相次ぐ厳しい意見に…。田久保市長は黙々とメモをとる様子。すると…。 (犬飼 このり 議員) 「まず、原稿を読む前に市長に一言。朝からずっと物を書いておりますが、人の意見を聞く態度ではありませんね。ちゃんと聞いてください」 議員から注意を受ける場面も。そして…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「本案は原案の通り決定することに賛成の諸君の起立を求めます。起立。全員であります」 全会一致で可決。 これにより、田久保市長は10日以内に自身の辞職・失職か、議会の解散かを、選択する必要があります。 議会終了後、一礼して議場を出ようとしますが…。 (記者) Q.「田久保市長お疲れ様です。不信任決議案提出されましたが?」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「他の方も通りますので、少し通路を開けて…」 (記者) 「ここで大丈夫です」 これまで取材にまともに応じてこなかったこともあり、質問が殺到。 (記者) Q.「なんでぶら下がりに応じないのでしょうか」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「このような状況で、ここも人が通りますので、道をあけてくれませんか」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「まずですね。謝罪したいと思います。本当に申し訳ございません。本日の議会の決定に関しましては受け止めさせていただきました。また、内容の方も承りましたの で、そちらについて検討もして参ります。本日はこれ以上のコメントということはできませんので、こういったことで失礼をさせていただきたい」 (記者) Q.「辞職するんでしょうか?解散するんでしょうか?」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「きょう議会の方で決定したので一度持ち帰りたい。すみません、通路の方はあけていただきたい。よろしいでしょうか」 (記者) Q.「全会一致で可決ということに対しては」 しばらく押し問答が続きますが…。 (記者) Q.「刑事告発については説明していませんけど、一言お願いします。その市民の方に一声お願いします。しっかりと説明責任を果たして、市民の方に声を一言お願いします。 結局、質問に応じることはなく議場を後にしました。 その後、議長から市長に対して通知書が手渡され…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「本議会は、令和7年9月1日の会議において、あなたを信任しないと議決したので、地方自治法第178条第1項の規定により通知します。良識ある判断をお願いします」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「きょう頂きましたので、中身を精査したい、そう考えています」 ようやく囲み取材に応じた、田久保市長は。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「刑事告発されたということになると、不用意に私の方から発言はできない状況になりましたので、まず、内容の確認をさせて頂きたいと思う」 (記者) Q.「刑事告発されたから話ができないのは筋が違っていて。みんな納得いかないと思うが」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「気持ちとしては重く受け止めている。ただ、逮捕されたくないから…そういったことではない。刑事告発されるというのは、それなりに重いこと。事実関係がしっかりしないうちから発言がむしろできなくなったということであると受け止めている」 刑事告発によって「発言ができなくなった」と釈明。 (記者) Q.「不信任決議の対応の説明は報道にはしっかりするか」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「きちんと発表したい。受け取ってすぐに即答する類のものではないと思っている。まずはきちんと持ち帰って、もう一度、不信任決議の中身を見て、考えた上で決めたい。ありがとうございます」 (記者) Q.「市長、じっくり考えると言いましたけど時期は?」 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「…」 一連の対応を終えた議長と副議長は。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「全会一致ということで、本当にきょうまで、百条委員会が開いて約50日間になりますけれども、本当に市政を混乱させ、市民を不安におとしいれ、迷惑をかけた市長に対して、ひとつのけじめがついたと思います。不信任決議というですね、本当に大きな私たちの決意をですね、しっかり受け止めて、良識ある判断をして、それは一刻も早く自ら辞職してもらうことだと思います」 田久保市長が今後の判断を明言しないことについては。 (伊東市議会 青木 敬博 副議長) 「不誠実な態度だなとは思いますけど、もう辞職勧告も出されていて、不信任も出されている。これだけの混乱を生んでいる。それなのにすぐ決断をすることができない。この辺は、やはり延命を図ってるんだなとは思っています。多分、自分たちは市議会議員選挙になると思っていますので、もう一度選挙に出て勝ち上がってきて、二度目の不信任を突きつけるっていうのが想像できる範囲かなとは思ってます」 自身の辞職・失職か、議会の解散か。田久保市長は9月11日までに決断を下します。