移民逮捕に最大1000ドルのボーナス、トランプ政権が取り締まり強化

(ブルームバーグ):トランプ米政権は、犯罪歴などのある移民逮捕の目標を達成した州・地方の警察官に対し、四半期ごとに最大1000ドル(約15万円)のボーナスを支給する制度を導入し、取り締まりをさらに強化する。 米国土安全保障省は2日、移民・関税執行局(ICE)との提携の下で移民を逮捕する権限を与えられた警察官が支給の対象となると発表した。 同省によると、全米50州中40州で計約8500人の警察官が米移民国籍法の287(g)条項に基づくプログラムのタスクフォースモデルに参加している。この制度は、本来は連邦執行官が担う移民法の執行を州や地方の警察官が日常の職務中に遂行できるようにする。 ボーナスは、トランプ大統領が目指す移民の大量国外退去の実現を支える法執行官への報奨制度に追加される。連邦政府は、287(g)プログラムに参加する警察官の給与や福利厚生、一部残業代を負担する取り組みを進めている。 ICEは、新たに最大1万人の職員・捜査官を採用するため、最大5万ドルの採用ボーナスも提示している。 ICEによれば、ボーナスは四半期ごとにICEが指示した逮捕数の達成率に応じて、1人当たり500-1000ドルが支給される予定。また、新たに2000人の警察官が287(g)プログラムの研修を受けているという。 連邦政府が公表した逮捕・送還データによると、ICEが今年1月から8月23日までの間に全米で行った逮捕件数は約16万8000件。同期間の送還者数は約15万人に上る。 ラテン系の投票動向を専門とする政治コンサルタントで、反トランプを掲げる共和党系団体リンカーン・プロジェクトの共同創設者でもあるマイク・マドリッド氏はICEのボーナス計画について、「州や地方の法執行機関を武器化し、連邦化するための懸賞金だ」と批判した。 ICEと国土安全保障省は、発表内容以上のコメント要請には応じなかった。 原題:US to Offer $1,000 Bonuses to Police for Help Arresting Migrants(抜粋)

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