世田谷女性殺害 容疑者、襲撃30分後に羽田空港に到着 出国狙いか

東京都世田谷区で1日、韓国籍の自営業女性が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された住所・職業不詳、パク・ヨンジュン容疑者(30)=韓国籍=が、事件の約30分後に羽田空港(東京都大田区)に到着していたことが捜査関係者への取材で判明した。現場近くからタクシーで直接空港に移動しており、警視庁は事件への関与が浮上する前に出国しようとしたとみている。 パク容疑者は1日午後1時半ごろ、世田谷区野沢2の事務所入り口付近で、交際相手のバン・ジウォンさん(40)=東京都港区=の首を切り付け、殺害したとして逮捕された。黙秘しているという。 捜査関係者によると、パク容疑者は事件当日の午前7時半過ぎ、宿泊先の港区のホテルを出発し、タクシーで現場の事務所付近に移動。約5時間待ち伏せし、仕事で訪れていた事務所から出てきたバンさんを切り付けたとされる。 その後、国道246号方面に逃走し、近くでタクシーに乗って午後2時ごろに羽田空港第2ターミナルに到着。同3時過ぎに国際線が発着する第3ターミナルに移動したことが防犯カメラの捜査などで明らかになった。同日夜の韓国便を予約しており、出国しようとしたとみられる。同4時50分ごろ、第3ターミナルのトイレ近くで警視庁の捜査員に確保された。 パク容疑者は韓国在住で、8月23日に来日し、当初はバンさんの自宅に滞在した。別れ話がもつれて、同29日にバンさんが都内の交番に「暴力を振るわれた」と相談。バンさんは知人宅に避難していた。 パク容疑者は同30日朝にもバンさんの自宅付近に現れたため、警視庁に帰国を促された。成田空港の保安検査場内まで捜査員に送り届けられたが、引き返したとみられる。 事件前日の同31日にもタクシーで事件現場付近を訪れ、約10分間、うろつく様子が周辺の防犯カメラに映っていた。警視庁は執拗(しつよう)に襲撃の機会をうかがっていたとみている。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加