宮城県警は4日、県内の70代自営業男性が総務省の職員を装った電話をきっかけに金の延べ棒や現金など計約1億1300万円相当をだまし取られる被害にあったと発表した。今年の特殊詐欺事件としては県内で最高額という。 組織犯罪対策1課によると、6月6日、男性の携帯電話に総務省の職員をかたる人物から、「携帯電話がサイバー攻撃を受けている。被害拡大を防ぐために保険に加入する必要がある」という電話があった。男性はこの話を信じ、指示された銀行口座に、複数回にわたり計380万円を振り込んだ。 6月16日、他県の警察官を名乗る人物から、「以前電話があった総務省職員を保険金詐欺で逮捕した。捜査のため、口座のお金の流れと自宅にある財産を教えてください」と電話があった。男性は金の延べ棒や金貨を自宅に所有していることを伝えた。 その後、警察官の上司という人物から、「自宅で保管している金の延べ棒なども特殊なインクで調べる必要がある。すべて指定した住所に送ってください」と電話があった。 6月22日、指定された住所に金の延べ棒5キロ(時価合計約8700万円)と金貨約1.3キロ(時価合計約2200万円)を箱に入れて送った。23日には、さらに印紙代として20万円を指定された口座に送金した。 警察官の上司という人物から連絡が取れなくなったことを不審に思い、被害に気づいた。(三村悠)