児童の列に車で衝突し無差別に殺害しようとした罪、29歳男を起訴

大阪市西成区の小学校近くで5月、小学生の列に車を衝突させて7人に重軽傷を負わせたとして、大阪地検は5日、住居不定、無職の矢沢勇希容疑者(29)を殺人未遂罪で起訴したと明らかにした。 地検は約3カ月半、矢沢容疑者を鑑定留置していた。事件当時の精神状態を調べた結果、刑事責任を問えると判断した。 起訴状などによると、矢沢容疑者は5月1日午後1時半ごろ、同区千本中2丁目の市立千本小学校近くで児童を無差別に殺害しようと考え、下校中だった小学生の列に最大時速19キロで走行させたスポーツ用多目的車(SUV)を衝突させて殺害しようとしたとされる。 小学2~3年生の7人がけがを負い、そのうち2人があごや腕を骨折する重傷を負った。大阪府警が矢沢容疑者を現行犯逮捕していた。 矢沢容疑者は府警に対し、「苦労せずに生きている人が嫌だった」「全てが嫌になり、児童をひき殺そうとした」などと供述したという。 捜査関係者によると、矢沢容疑者は事件2日前の4月29日にJR新大阪駅近くのレンタカー会社でSUVを借りていた。防犯カメラの映像には翌日にこの車が大阪市東住吉区の小学校近くを走る様子が記録されていたという。 矢沢容疑者は逮捕直後の調べに「別の小学校でも子どもを狙った」という趣旨の供述をしていたが、現在は事件について黙秘しているという。(宮坂知樹)

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