日大アメフト1015日ぶり公式戦復帰、廃部から2年弱…まだ有志の会「フェニックス」愛称なし

2023年(令5)にアメリカンフットボール部が違法薬物事件を起こして廃部になり、翌24年5月に発足した後継組織「有志の会」として活動する日本大学が、公式戦に復帰した。関東大学リーグ2部(3部相当)Bブロックの開幕節が7日、東京・駒沢第二球技場で行われ、専修大と対戦した。 秋季リーグ戦では22年11月27日の1部リーグ上位TOP8、横浜国立大戦以来1015日ぶりの復帰となった。 監督代行職を務める責任者の須永恭通氏が指揮を執り、LB三ケ尻晃基(4年=大産大付)ら約70人のメンバーが、代名詞の赤いユニホーム姿でフィールドに立った。試合前にはサイドラインで合唱。満席となった日大側の応援席から拍手が上がった。 専大のキックに対するレシーブから試合が始まり、自陣35ヤード地点から再出発の攻撃シリーズを、伝統のショットガン・フォーメーションで開始した。第1クオーター(Q)5分、QB川端迅(2年=千葉日大一)からWR岩崎充希(3年=佼成学園)へ24ヤードのタッチダウン(TD)パスが通り、いきなり先制点も奪った。 一方、まだ大学側から競技部とは認められていないため、愛称PHOENIX(フェニックス)の文字はなかった。春の対外試合までは背中に入っていたが、正式復帰に伴い、外された。不死鳥をイメージしたロゴは、変わらずヘルメットに入っており、応援団のTシャツにも描かれている。 日大を巡っては、寮に住む部員が違法薬物所持で23年8月に逮捕されたことなどを受け、同年12月15日付で廃部。1940年(昭15)の創部、甲子園ボウルで関東最多21度の優勝を誇った名門フェニックス(不死鳥)が84年の歴史に幕を下ろし、年明け2月には関東学連からも退会していた。 その3カ月後、薬物検査で陰性となるなど一定の条件を満たした元部員、新入生が後継チーム「有志の会」が発足。活動を継続していた。復帰に際しては、関東学生連盟(関東学連)が6月に臨時理事会を開き、大学側からの新たな加盟申請を審議の上で承認。TOP8から数えて3番目のカテゴリーとなる2部からの再起が決まっていた。 大学日本一を決める全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」を目指せるのは最短で2年後となる。選手1人が不服として仲裁の申し立てをしたが「門前払い」されていた。 リーグ復帰に当たっては2部のA、Bブロック各8校の組分けが今年2月に終わっていた中、日大の2部からの復帰が6月に決定。専大や一橋大、筑波大などと同組になった。まずは1部リーグ下位BIG8への昇格に挑むことになる。【木下淳】 <経過> ▼23年7月 大学側の調査で寮から植物片など発見 ▼8月 3日に警視庁が寮を家宅捜索。5日に警視庁が3年生部員を逮捕。無期限活動停止、学生寮閉鎖 ▼10月 警視庁が新たに4年生部員を逮捕。最終的に卒業生も含め11人が立件 ▼12月 大学の臨時理事会が開かれ、廃部が決定 ▼24年2月 関東学連から脱退 ▼3月 部の創設を見送り、関東学連に24年度の加盟申請をしなかったと発表 ▼4月 中大アメフト部でヘッドコーチを務めていた、日大OBの須永恭通氏が指導責任者に就任 ▼5月 有志の会が発足 ▼25年2月 関東学連に再度の加盟申請 ▼25年6月 2部リーグ所属の復帰が決定。Bブロックで専大、一橋大、筑波大、芝浦工業大、関東学院大、上智大、東京農工大、工学院大と同組に ▼9月7日 復帰戦で専大と対戦

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