高齢84歳の最高顧問が次期総裁選で"暗躍"…政治も企業も「日本の長老支配は永久に不滅」と言える決定的理由

石破首相が辞任を表明した背景にあるもの、それは政治とカネ問題をめぐる国民の政治家への不信感だ。石破氏は68歳だが、次の首相は何歳か。統計データ分析家の本川裕さんは「世界の中でも日本の政治家や企業経営者には高齢者が多い。周りの目から何歳まで現役と見なされるかを各国別に調べた結果を見ると、日本は、国のリーダー(政治家)も大企業トップも最も高年齢で、現役で働ける年数が長いお国柄だ」という――。 ■政治も経済も「日本の長老支配は永久に不滅」と言える理由 どんな職業に就くか、あるいはどんな職業の人と結婚するかで人生は大きく左右されるため、また、どんな職業の人かでその人の性格や行動パターンも異なってくることから、職業に関する人々の関心は非常に高い。 職業について一番関心を引くのは、収入の多寡である。これについては、本年1月の記事で取り上げたので、今回は、その際にも触れた職業別の信頼度を日本と主要国の特徴にしぼって考察するとともに、後半では、年齢的に何歳まで現役で長く働けるかについて職業によってどの位の差があるかを、やはり、日本の状況と国際比較について見てみよう。 今回、取り上げるデータは、フランスの世界的な調査会社であるイプソス社の国際意識調査によっている。 イプソス社は、各国でどんな職業が信頼されているかについての国際意識調査を実施している。ここでは、32カ国、21の職業について調べられている結果から、主要国としてG7諸国と韓国を取り上げ、各国における職業別の信頼度の順位を図表1に示した。ここで作成した順位グラフは、「信用している」の回答率を「信用していない」の回答率で除した指標を計算し、この指標で順位付けした筆者のオリジナルである。 イプソス調査による職業別の信頼度の結果には、国ごとの共通性が高い特徴もあれば、国によって大きく異なる特徴もある。 まず、共通性の高い特徴から見て行こう。 医師や科学者への信頼度は概して高い まず目につくのは、これは主要国だけでなく、途上国を含めた世界的傾向であるが、医師や科学者ヘの信頼度が他の職業に比べて非常に高い点である。どちらかが信頼度1位となっている場合が多い。 医師の順位については、主要国の中で、米国と韓国が医師の順位が、それぞれ、4位、5位と異例に低くなっているのが、むしろ、目立っている。米国は医療費の高さで嫌われているのかもしれない。韓国の医師順位の低さについては、韓国歴史ドラマにおける宮廷での医師の身分的な低さを思い起こさせる。 政治家はSNSインフルエンサーと並び信頼度が最低 政治家全般が信頼度最低であり(世界32カ国では最低ランクの国が15カ国)、政治家が就くことの多い閣僚などを含め政治がらみでは信頼度が世界的に低い点が目立っている。政治家に指揮される公務員のほうはそれほど低くない。 日本では、近年の政治とカネの問題、政治家の不祥事などの頻出から、政治家への信頼は地に落ちた感があるが、これは、世界共通の現象だと理解しておく必要がある。 7日、石破茂首相が退陣を表明した。参議院選での敗北などが背景にあるが、首相官邸での緊急会見では旧安倍派などによる政治とカネの問題に関して「不信払拭はできていない。最大の心残り」と述べた。さらに下がった国民からの信頼を自民党はどのように回復させるのだろうか。 政治家と並んで信頼度の低い職業として目立つようになっているのが「SNSのインフルエンサー」である。世界14カ国で最低ランクとなっている。ただし、評判が低いのは先進国であり、途上国ではそれほど低くないのも特徴である。主要国では米国と韓国が下から2番目であるのを除くとすべて最下位となっている。ネット社会の中で「SNSのインフルエンサー」の影響力は大きくなっているが、人々から信頼されているわけでもないことは念頭に置いておくべきだろう。

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