母もまた一人の女…「少年の記憶の中にある母の不貞」を度々テーマにすることで、美化された昭和の母親像を壊した松本清張

現代よりも女性にずっと強い貞操意識が求められた昭和の時代。そんな中、自身の母の不貞などは男にとって絶対に目の当たりにしたくないことだった。しかし、社会派の作家・松本清張は「母」に対してもその筆に容赦はない。母が登場する作品群においては、理想化された“昭和の母”像とは異なるリアルな女の姿が浮かび上がる。 『松本清張の女たち』 (新潮社)より、一部抜粋、再構成してお届けする。

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