フィリピンを拠点とする犯罪グループ「JPドラゴン」のメンバー6人が逮捕された特殊詐欺事件で、被害は少なくとも全国で約250人、約9億円に及ぶことがわかりました。 逮捕されたのは「JPドラゴン」のメンバーでいずれも住居・職業不詳の三本竹朗容疑者(27)、松本直人容疑者(35)、石川光里容疑者(45)、森廣将人容疑者(38)、山根麟太郎容疑者(27)天野翼容疑者(30)の6人で、身柄を拘束されていたフィリピンから航空機で移送され、10日午後、成田空港に到着しました。 福岡県警組織犯罪捜査課によりますと6人は2023年4月、ほかの人物と共謀して埼玉県蕨市の当時89歳の男性宅に警察官をかたって電話をかけ「キャッシュカードが悪用される事件が多発している」「キャッシュカードにパスワードをかける必要があるので警察官を向かわせる」などとウソを言って、キャッシュカードを盗んだ疑いです。 男性の自宅では、男性に印鑑を取りに行かせている間に別のカードが入った封筒とすり替える手口でキャッシュカードを盗んだということです。 県警は6人の認否を明らかにしていません。 県警は6人の逮捕状を取って捜査を進め、5月にフィリピン当局が身柄を拘束したことから、現地から成田に移送する航空機の中で逮捕しました。 犯行グループは十数人規模とみられ、6人は日本にいる「受け子」らに指示を出す「指示役」やウソの電話をかける「かけ子」だったとみられています。 また、受け子らをいわゆる闇バイトで集め、電話や秘匿性の高い通信アプリなどで指示していたとみられるということです。 このグループによる被害は少なくとも2019年以降、福岡や東京・大阪など全国各地の高齢者を中心に約250人、金額にして約9億円が確認されていて、県警は6人の身柄を福岡に移し、6人が所属する組織の実態解明を進めることにしています。