カンボジア北西部の町ポイペトを拠点とした特殊詐欺事件で、日本人のかけ子29人が5月に現地警察当局に摘発された後も、同じ被害者に警察官を装った詐欺電話がかけられていたことが12日、愛知県警への取材で分かった。 詐欺グループは摘発されにくいように複数のかけ子拠点を有していた可能性があり、県警が実態解明を進めている。 29人は職業・住所不詳の大坪裕介容疑者(35)ら19~52歳の男女。8月に日本へ移送、詐欺未遂容疑で逮捕され、今月10日には別の詐欺未遂容疑で再逮捕された。 県警組織犯罪特別捜査課によると、29人は5月27日、長野県警の警察官を装い、中国人らが管理する拠点から東京都八王子市の60代男性らに「マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いがあり、預貯金の流れを確認する」と電話していたところ、現地当局の急襲を受け身柄を拘束された。 男性には摘発翌日以降も警察官を名乗る人物から電話があった。「これまで対応した警察官が忙しくなり引き継ぐ」と言われ、送金するよう要求されたという。