直接証拠なき殺人、2審も懲役16年 7年前に大阪・羽曳野で男性刺殺

大阪府羽曳野市の路上で平成30年2月、隣人女性の交際相手の男性を殺害したとして殺人の罪に問われ、1審大阪地裁の裁判員裁判で懲役16年の判決を受けた山本孝被告(49)の控訴審判決公判が12日、大阪高裁で開かれた。小森田恵樹裁判長は「認定・判断はおおむね相当」として1審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。 男性は韓国籍の崔喬可(さいきょうか)さん=当時(64)。30年2月17日夜、女性宅近くの駐車場に車を止めた直後、路上で何者かに背後から刃物で刺されて死亡した。被告は4年後に逮捕されたが、直接証拠はなく、一貫して無実を訴えていた。 小森田裁判長は判決理由で、現場付近のドライブレコーダー映像によると、袋小路の突き当たりにある被告宅付近のセンサーライトが点灯した後、被告宅方向から何者かが現場付近に現れて事件が起きたとし、被告が犯人だと「強く推認される」と指摘した。 さらに犯人は付近住民だと考えるのが自然で、被告が隣人とトラブルを抱えており、殺害の動機がある一方、被告の犯人性を否定する十分な根拠はないとし、「被告以外に真犯人がいるという合理的な疑いは残らない」と結論付けた。

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