【関西大学ラグビー】天理大は不祥事を乗り越えて開幕戦に圧勝 上ノ坊主将「拍手を頂いたのが嬉しかった」

◇ムロオ関西大学ラグビーAリーグ第1節(2025年9月14日 東大阪市花園ラグビー場) 天理大が“みそぎ”の開幕戦を62―0で関西連覇に向けてスタートした。試合後の会見で小松節夫監督は開口一番「6月に部員が逮捕されるという不祥事を起こし、関係者の方々にお詫び申し上げます。リーグ戦に出させていただいたことに感謝して一戦一戦、戦って参ります」と頭を下げた。 小松監督自身も謹慎が明けて11日から指導を始めたばかり。「春のトーナメントは最下位だったので、そこからのスタート。チャレンジャーとして、ディフェンスをしつこく行こうと。きょうの試合はスクラムを頑張った」と選手の奮闘をねぎらった。 SO上ノ坊駿介主将は2トライ6ゴールの22得点と大車輪の活躍。前半33分はSH朝倉達弥(4年)のハンドオフを受けて約50メートルを独走トライ。後半7分にも個人技で関大守備陣をかわして右隅にトライした。また、後半23分、36分のトライは上ノ坊のキックパスから生まれたものだった。「粘り強いディフェンスからテンポの速いアタックに変える。ディフェンをも受けずに前に出てプレッシャーを与え続けたのが良かった」と主将は振り返る。 ただ、前半27分に上ノ坊のパスを関大FB堂免遙生(1年)にインタセプトされ、WTBフコフカ・ルカス(1年)が全速力で戻ってぎりぎりでトライを許さない場面もあった。「あのプレーがなかったら試合の流れが変わっていたかもしれない。ルカスにありがとうって言いました」と高知中央で花園に出場した快速ウイングに感謝した。 会見後、右太モモがけいれんして立てなくなった上ノ坊。全力でこの試合に懸けた思いが伝わる。「春の不祥事でラグビーができなくなって不安しかなかった。ラグビーをできないもどかしさが、いい方向に出た。150人の部員が同じベクトルに向かうきっかけになった」とうなずく。「試合が終わって観客席から拍手を頂いたのが何より嬉しかった」とこの時ばかりは笑顔を浮かべていた。

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