ハンガリー首相、スウェーデンを非難「秩序と安全で知られた国が崩壊」

【AFP=時事】ハンガリーのオルバン・ビクトル首相は15日、組織犯罪への対応をめぐりスウェーデン政府を批判し、AFPの記事を誤って引用してスウェーデン当局が未成年者を搾取する犯罪者を訴追していないと主張した。 オルバン氏はX(旧ツイッター)に、「スウェーデン政府は法の支配についてハンガリーに説教しているが、独日刊紙ウェルトの記事によると、ギャングはスウェーデンの子どもたちを殺し屋として利用しており、同国の制度では有罪判決が出ないことを承知している」と投稿。 「かつて秩序と安全で知られていた国が今まさに崩壊している。未成年の少女280人以上が殺人容疑で逮捕され、家族は恐怖の中で暮らしている。心が痛む。スウェーデン国民はもっと良い扱いを受けるに値する!」と述べた。 これに対しスウェーデン氏のウルフ・クリステション首相は、オルバン氏の発言を「とんでもないうそ」と非難。 「自国で法の支配を解体している男の発言としては驚くべきものではない。オルバン氏はハンガリーの次期総選挙を前に必死になっている」とXに投稿した。 オルバンが引用した記事は、独日刊紙ヴェルトに掲載されたAFPの記事で、スウェーデンの組織犯罪ネットワークにおける10代少女の役割について記したもの。この記事で引用されている数字は、スウェーデン検察庁のデータに基づいている。 オルバン氏が引用した「殺人容疑で逮捕された未成年の少女280人」とは、実際には、2024年に殺人、過失致死、または暴行の罪で起訴された15~17歳の少女280人のことを指す。そのうち何人が組織犯罪と関連していたかは不明だ。 スウェーデン国家犯罪防止評議会によると、2024年にスウェーデンで記録された致命的な暴力事件は92件で、2014年以来最低水準となった。 オルバン政権下のハンガリーは。法の支配を軽視しているとして、欧州連合(EU)から非難されてきた。 欧州委員会は第6回年次報告書の中で、ハンガリーは汚職対策、市民社会の強化、メディアの独立性確保において「進展が見られない」と批判した。【翻訳編集】 AFPBB News

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