韓国最大野党の党員に多数の旧統一教会関係者か 特別検察が名簿確保

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と韓国の最大野党「国民の力」をめぐる一連の疑惑を捜査する特別検察は18日、家宅捜索で同党の党員名簿を押収した。聯合ニュースの19日の報道によると、名簿には多数の統一教会関係者が含まれていたという。 特別検察は、国民の力が政権与党だった2023年3月の党代表選を巡り、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領(64)=内乱罪などで公判中=の側近の権性東(クォン・ソンドン)容疑者(65)=政治資金法違反などの容疑で逮捕=を当選させるため、旧統一教会信者が集団で入党した疑いがあるとみている。 代表選では一定の条件を満たした「責任党員」約74万人に投票権がある。権容疑者は当時、代表選への出馬を検討したが、最終的に断念した。 国民の力が党本部への家宅捜索を繰り返し拒否したため、特別検察は18日、党員名簿のデータベースを管理する企業を捜索。聯合によると、約500万人分の党員名簿を押収した。特別検察が旧統一教会への捜索で押収した旧統一教会関係者約120万人分の名簿と照合し、このうち約11万人分が合致したという。 ただ、代表選前後の時期の新規入党者約16万人のうち、旧統一教会関係者は約3500人だったという。このため代表選のために入党した旧統一教会関係者は11万人のうちのごく一部とみられる。 一方で特別検察は、国民の力から立候補した尹氏が当選した22年3月の大統領選で、旧統一教会が尹氏側を支援した疑惑も捜査している。選挙は尹氏が24万7000票余の差で、李在明(イ・ジェミョン)大統領に勝利した。李氏は25年の大統領選で当選した。 一連の事件を巡り、特別検察は教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(82)に対する逮捕状をソウル中央地裁に請求。同地裁は22日に逮捕状の審査を行い、発付の是非を判断する。【ソウル福岡静哉】

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