献金被害者「これからが始まり」 旧統一教会総裁逮捕受け

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁の韓鶴子容疑者(82)が尹錫悦前韓国大統領夫人に高級ネックレスなどを贈ったとして逮捕されたことを受け、国内の献金被害者らからは23日、「本当にやっと、という気持ち。これからが始まりだ」など問題の根本的な解決を求める声が上がった。 「全国統一協会(教会)被害者家族の会」で信者らの相談に乗る60代男性は「高額献金の末に、家族関係の悪化や家庭崩壊といった被害が長年つくり出されてきた」と強調。「総裁の逮捕は本当にやっと、という気持ち。旧統一教会問題に区切りを付けるためのスタートだ」と話した。 韓容疑者による不正な金品贈与については「信者による寄付金が利用された可能性がある」と指摘。「信者らの気持ちを踏みにじる使い方で、とても許せない」と憤った。 男性の妻で、約100万円の献金被害に遭ったという70代女性は、夫婦で専門のカウンセラーに1年近く通うことで脱会できたと話す。女性は「旧統一教会の教えには『絶対服従』『自己否定』があり、一人でマインドコントロールを解くのは難しい。脱会できずに悩む人は勇気を出して専門家などに相談してほしい」と呼び掛けた。 全国霊感商法対策弁護士連絡会は逮捕を受け、声明を公表した。声明は「霊感商法や違法な献金勧誘の被害者から得た資金が韓国本部において不当な利得や私欲のために支出されてきた実態が解明されることを期待する」と指摘。日本の国会などでも、中立な第三者機関を設け、旧統一教会と政治家の関係を徹底的に調査するよう求めた。 日本の旧統一教会広報渉外局はX(旧ツイッター)で韓容疑者について「特別検察に自ら出頭するなど、捜査に真摯(しんし)に協力している」とし、高齢で療養が必要にもかかわらず逮捕されたことについて「誠に遺憾」とコメントした。

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