24日、午後2時すぎ。韓国・ソウルの法廷に、尹錫悦・前大統領の妻、金建希氏(53)がうつむき加減で姿を見せました。黒縁のメガネにマスク、髪の毛は一つに束ねていました。 逮捕から1か月あまり、この日、初公判が行われたのです。 先月、「ご心配をかけ心から申し訳ございません」と、謝罪の言葉を口にしていた金氏。世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”から高級ブランド品などを受け取った見返りに、教団の事業に便宜を図ったとするあっせん収賄などの罪で起訴されていました。 迎えたきょうの初公判。金氏の左胸には「4398」という四桁の数字がありました。地元メディアによると、拘置所の「収容者番号」だといいます。 初公判で金氏側は起訴内容を否認。その後、今後の日程などが確認され、裁判はおよそ40分で終了しました。次の公判は来月15日に開かれる予定です。 ◇ そして、この日は金氏に“賄賂”を贈った疑いがある教団側にも動きがありました。 西山聡(ソウル近郊) 「かなり強い雨が降る中、拘置所の前には韓総裁を見送るために信者とみられる人たちが待っています」 多くの人が見つめる先、拘置所にいるのが前日に逮捕された“統一教会”のトップ、韓鶴子総裁(82)。4畳ほどの独房で一夜を過ごし、この日は、聴取のため捜査当局へ。 韓総裁が乗ったとみられる車が出てくると。「お母様、頑張ってください!」「お母様、愛しています!」という激励の声が。声は、車が見えなくなるまで続きました。 韓総裁はこれまでに「政治家にお金を渡したことはない」などと関与を否認しています。捜査当局は“統一教会”と尹政権を巡る一連の疑惑の全容解明を急いでいます。