「本当にやってない」大崎事件から46年、裁判やり直し求める女性は98歳に「開かずの扉」再審制度の課題

殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(98)が無実を訴え、裁判のやり直し=再審を求めている大崎事件は、あす10月15日で発生から46年です。 「開かずの扉」ともいわれる日本の再審制度。大崎事件からその課題を考えます。 今月、原口アヤ子さんが入所する施設を弁護団や支援者が訪れました。 98歳の原口さん。脳梗塞を2度患って言葉を上手く話せず、呼びかけにうなずくような様子が見られました。弁護団の鴨志田祐美 弁護士は、2004年から原口さんを支えています。 (鴨志田弁護士)「『長い付き合いだよね』と言ったら笑いました。はっきり分かる笑顔で笑ってくれて、すごく表情が豊かで反応もしっかりしていて、ちょっと安心した」 46年前の1979年10月15日。男性が牛小屋の堆肥から遺体で見つかった大崎事件。男性の義理の姉・原口アヤ子さんら親族4人が男性の首をタオルで絞めて殺害し、遺体を牛小屋の堆肥の中に遺棄したとして逮捕されました。 原口さんは一貫して無実を訴えましたが、共犯とされる親族3人の「自白」などを根拠に、懲役10年の有罪判決を受け服役しました。 (原口アヤ子さん)「本当に何もやっていないのに、こんな長く罪を着せられて」 原口さんは出所後の1995年、67歳の時、裁判のやり直しを求めて鹿児島地裁に初めて再審請求をしました。 弁護団は、男性は原口さんらに殺害されたのではなく、直前に起きた自転車事故が原因で死亡した可能性を指摘してきました。 地裁は再審請求を認めたものの、検察が不服を申し立て、高裁、最高裁ともに再審を認めませんでした。 再審請求はこの30年間で4度行われ、地裁で2回、高裁で1回再審が認められましたが、いずれも検察が不服を申し立てて覆されています。 (日本国民救済会鹿児島県本部・永仮正弘 会長)「再審の門を裁判所は開いてくれない。むしろ閉じる方向にしているのが非常に残念」 原口さんとの面会の後、弁護団や支援者が集まり、集会が開かれました。原口さんを支えている長女・京子さんは、切実な思いを訴えました。

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