元日本フェザー級6位のプロボクサーで58年も無実を訴え続けた末、死刑判決の冤罪を晴らして無罪を勝ち取った袴田巖さん(88)が29日、後楽園ホールを訪れて9年ぶりにボクシングを観戦した。48年に及ぶ拘置生活の後遺症からリングに上がることはできず、今も残る冤罪の恐ろしさをまざまざと示したが、姉のひで子さん(91)が代わりに支援への感謝と無罪となったことを報告した。また再審の支援活動に参加していたWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26、M.T)も駆けつけて「無罪を獲得された戦いに力をもらった」と語り、今後、機会があれば袴田さんを世界戦に招待したい考えを明かした。