過去にも各地で発生…社会福祉施設での職員・元職員らによる事件

埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者の高齢女性2人が血を流しているのが見つかり、その後死亡が確認された事件で、県警は15日、この施設の元職員、木村斗哉(とうや)容疑者(22)=同県熊谷市箱田4=を、女性1人に対する殺人の疑いで緊急逮捕した。「被害者を刃物で刺して殺したことは間違いない」と容疑を認めており、県警は動機や詳しい経緯について調べを進める。 社会福祉施設の職員や元職員が入所者らを殺害する事件は、過去にも各地で起きている。 神奈川県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市)では2016年7月、元職員の植松聖死刑囚が未明に窓ガラスを割って園に侵入し、入所者を包丁で刺すなどして19人を殺害、職員を含む26人に重軽傷を負わせた。公判で、植松死刑囚は園での勤務経験などを経て「意思疎通できない重度障害者は不幸だ」などの差別的な考えを抱くようになり、「殺した方が社会の役に立つと思った」との動機を述べた。 茨城県古河市では21年、介護老人保健施設で入所者の高齢男性2人の体内に注射器の筒を使って空気を注入し殺害したとして、元職員の女性(36)が逮捕された。 東京都北区の特別養護老人ホームでは22年9月、入所者の女性(92)に暴行を加えて殺害したとして、介護職員の男性(50)が逮捕された。男性は当時の警察の取り調べに「『バカ』と言われカッとなった」と供述し、女性の遺体は複数の骨が折れていたほか、胸や背中などに熱湯をかけられたとみられるやけどの痕もあった。 福島県小野町では22年12月、特別養護老人ホームの入所者女性(94)を暴行して殺害したとして、介護福祉士の男性(41)が逮捕された。(年齢はいずれも当時)【田原拓郎、板鼻歳也、洪玟香、西本紗保美】

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