2024年1月、今治市でピアノ教師の女性が殺害された事件は、16日、裁判員裁判で証人尋問が行われ、殺害された女性の次女が当時を振り返りました。 西条市樋之口の無職・榊原正道被告(35)は去年1月、今治市の住宅でこの家に住むピアノ教師の女性(当時64歳)の首を切りつけ殺害したほか、女性の次女を車に乗せ監禁したなど、殺人や逮捕致傷など6つの罪で起訴されていて、15日から裁判員裁判が松山地裁で始まっています。 裁判は、榊原被告が女性の首を殺意を持って複数回切りつけたかどうかや次女の意思に反して車で連れ去り監禁したかなどが争点となる中、16日は榊原被告の元交際相手でもある女性の次女が証言台に立ちました。 榊原被告と次女は、2022年にマッチングアプリで出会い「不倫関係」で交際していましたが、周囲から反対を受けるなどする中で復縁を繰り返していました。 15日の冒頭陳述では、榊原被告が次女との交際関係のもつれから怒りを募らせ、犯行を決意したことが明かされていました。 その上で、次女は証人尋問で事件当時について「嫌だと思ったけどここで逃げたらまた何をされるかわからないと思った」などと振り返りました。 これまでの裁判で、次女が事件の前日までに自身のSNSのアカウントで男に関し 「出会ってくれてありがとう」「会いたい、大好き」などと投稿していたことが明らかとなっている中、証人尋問で次女は、投稿に関して「全ていい思い出だけを投稿して負の感情は書かずいい恋愛だったと思えるように物語を作っていた」などと話し、「投稿した内容は本音ではなく、連れ去られた時に純粋な好意があったわけではない」と話しました。 また、女性が死亡したことを知った当時については「ここまでのことを本当にする人だったと本当に深く後悔し悲しかった」と声を震わせました。 裁判は17日、女性の長女への証人尋問が予定されていて、判決は10月31日に言い渡される予定です。