「いたずらしてもいいのかな」車の中で女子高生に性的暴行…78歳被告の伝わってこない「反省」

「お金を渡せば、性欲を満たせると思いました」 15歳の女子高生を車に乗るように誘い、性的暴行を加えた78歳の男は犯行の動機について、このように述べたのだった──。 「’25年5月14日、埼玉県警草加署はわいせつ目的略取と不同意性交等未遂の疑いで、大久保隆夫被告(78)を逮捕しました。大久保被告は5月11日の午後2時ごろ、草加市内の路上で女子高生Aさん(当時15歳)の腕をつかんで自らが運転する軽自動車に連れ込み、性的暴行を加えようとした疑いがもたれていました。 2日後の13日に、たまたまAさんを見かけた大久保被告が車で後をつけ、Aさんの自宅の前に姿を見せたため、Aさんの母親が110番通報。事件が発覚しました。 その後の捜査で、大久保被告がAさんに性的暴行を加えていたことが明らかになりました。また、腕をつかむなどの暴力ではなく、『お小遣いをあげるよ』などとAさんを誘惑して、車に乗せたこともわかってきたのです。検察は、大久保被告を不同意性交等とわいせつ誘拐で起訴しました」(全国紙社会部記者) 10月7日にさいたま地裁で開かれた大久保被告の第2回公判では被告人質問が行われた。これまで、大久保被告はAさんに性的暴行を加えたことは認めているものの、「キスは、Aさんのほうからしてきた」と一部否認している。 大久保被告は事件の日のことを、弁護人の質問に答える形で、次のように話した。 「私が車を止めて休んでいると、前から被害者(Aさん)が歩いてきました。かわいい子だなと思って『こんにちは』と声をかけると、被害者も『こんにちは』と答えてくれました。それで、『お小遣い、いくらもらってるの? 2000~3000円ならあげるよ。車に乗る?』と話しかけると、『うん』と言って車の後部座席に乗ってきたのです。 私は車を運転して、人けのないところで止め、後部座席に移動しました。そこで被害者の体を触ったりしましたが、怖がっている様子はありませんでした。その後、被害者が『帰る』と言ったので、2000円を渡しました」 そして、弁護人の「どうしてこのようなことをしたのか」という質問に冒頭のように答え、「男としての性欲があった」と続けたのだった。 ◆大久保被告を厳しく問い詰める裁判長 Aさんは、警察や検察の取り調べの中で次のように証言をしている。 「私が歩いていると、突然、知らないおじさんに声をかけられました。いきなり声をかけられて、すごく怖くて、逃げ出したり、大きな声を出すことができませんでした。そして、私の肩に手を当てて、車に乗るように言われました」 さらに、「いまでも連れ去られたときのことを考えると、怖くて一人で出歩けません。私を傷つけたおじさんに罰を与えてください」と、事件によって精神的に傷つけられたと訴えていた。 次に、検察官が質問に立った。「被告人は公訴事実の中で、キスの点を除いては、特にあなたのほうで弁解することはないという理解で間違いないですか?」と確認すると、大久保被告は「はい」と認めたのだった。 最後に、室橋雅仁裁判長が「Aさんは(取り調べの中で)『精神的に傷ついた』と話していましたが、どういうふうに傷ついていると思いますか?」と質問した。「そこまでは、ちょっとわかりません」と答えた大久保被告に対して、室橋裁判長はさらに声を大きくして、質問を重ねた。 室橋裁判長 「あなたが想像してみてくださいよ。Aさんはどういうふうに傷ついているんですか?」 大久保被告 「80歳の人に、そういうことをされたということに傷ついたと」 室橋裁判長 「じゃあ、若い人からされたら傷つかないんですか?」 大久保被告 「それは、わかりません」 室橋裁判長 「それ以上、精神的にどう傷ついたか、わからないんですか?」 大久保被告 「……」 室橋裁判長の「以上です」という言葉で、被告人質問は終了。大久保被告は証言台に手をついて、「よいしょっ」と立ち上がると、被告人席へ戻っていった。 ◆虚しく聞こえてしまう被告の〝謝罪〟 被告人質問の中で、大久保被告はこのように被害者への謝罪の言葉を口にしている。 「被害者の方には本当に申し訳ないことをしたと思っています。具体的に何ができるか、まだ考えていませんが、何ができるか真摯に考えていきたいと思います。そして被害者への謝罪の気持ちを持ち続け、家族にも迷惑をかけないようにしたいと思います」 だが、反省の弁を述べる一方で大久保被告は、裁判官にAさんに声をかけた理由を聞かれ、「顔立ちがきれいで、圧倒的にかわいいと思いましたね」と答えたり、お金を払えば満たせると語った性欲が、どんなものだったのかという質問には、「エッチしたいとかそういう性欲はありません。触ったり、いたずらしてもいいのかなと思いました」と答えていた。自身の犯行がAさんの日常に及ぼした影響が深刻なものであると理解しているようには、とても感じられなかった。 性的暴行を加えたことは認めているものの、性行為に及んでいなければ、大した犯罪ではないと考えているのだろうか。 現在、AさんとAさんの保護者は、示談に応じず、謝罪文の受け取りも拒否しているという。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文・写真:中平良

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