楽天アカウントに不正アクセス、eSIMの通信回線を契約し転売疑い 兵庫県警が逮捕の少年、特殊プログラムで作業自動化か

他人の楽天アカウントに不正アクセスし、楽天モバイルの通信回線を入手したとして、兵庫県警サイバー捜査課と葺合署などは21日、不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで、埼玉県加須市の少年(16)と千葉市若葉区の無職の男(21)を逮捕した。少年らは、組み込み式のSIMカード「eSIM」で他人名義の通信回線を契約し、それを転売していた。 2人の逮捕容疑は共謀して昨年5月3日ごろ、他人の楽天アカウントに不正アクセスし、楽天モバイルの通信サービス契約を結んだ疑い。調べに対し、ともに容疑を認めているという。 同課によると、少年らは不正にアクセスした楽天アカウントで、10件の通信回線を契約。いずれもスマートフォン(スマホ)に組み込むeSIMを使う契約で、回線の開通手続きに必要なQRコードを第三者に売却していたとされる。 少年らは150万件分のIDとパスワードを記載したリストを入手したとみられ、少年は同課に対し「海外サイトで、50ドルほどで購入した」と話したという。 少年は特殊なプログラムを使い、150万件のアカウントの中から楽天アカウントのIDとパスワードだけを抽出。別のプログラムを用いて、アカウントへの不正ログインから通信回線契約までの作業を自動化したという。 通信回線は無職の男が売却したとされ、同課は男の供述やスマートフォンの記録などから、1件当たり約千円で販売していたとみている。 SIMカードは、携帯電話回線による音声通話やデータ通信を利用するために必要となるICカード。スマホ内蔵型のeSIMは、オンライン上の手続きのみで素早く開通できるなどのメリットがある。

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