「未成年と言わないで」16歳に接待をさせたガールズバーが摘発…少女らを食い物にする夜の街の〝闇〟

10月13日の夜8時過ぎ。新宿・歌舞伎町の一角にあるビルから段ボールを抱えた捜査員複数名が姿を現した。ビルの前に停車したバンに段ボールを積み込む。その数分後、エレベーターから出てきたのは、別の捜査員2人に前後を挟まれて連行される男。胸元の開いた黒いシャツに金髪姿のその男は下を向いたままで表情はよくわからなかったが、口角が上がっており、笑っているようにも見えた──。 同日、警視庁少年育成課が、風営法違反の疑いで現行犯逮捕したのは、東京・歌舞伎町のガールズバー『RaBBi2(ラビッツ)』経営者で住所不定の平裕一郎容疑者(29)。風俗営業の許可なく40代男性客2人に対し、女性従業員らにカウンター越しに接待をさせた疑いだ。 「警察によると、摘発時に店内では16歳の少女が接客をしていました。少女は採用時の面接で年齢を伝えたにもかかわらず平容疑者から『経験のため少しだけ手伝ってみるか。お客さんの前では未成年と言わないで』と言われたとのこと。7月には同店で『未成年が働いている』という情報提供もあったそうです。平容疑者は『認識が甘かった』と、容疑を認めています」(社会部記者) 警視庁は18歳未満の少女に接待をさせた疑いでも捜査を続けるという。 ガールズバーやコンカフェで未成年が働くことは、22時までなら違法ではない。しかし「接待行為」がある店は「風俗営業」であり、未成年者を働かせること自体、違法になる。また、ガールズバーやコンカフェは「飲食店」とみなされるために、営業に当たって「風俗営業」の届出は必要ないが、接待をさせると、今回のケースのように無許可営業として摘発の対象となる。 歌舞伎町のガールズバーやコンカフェでは多くの未成年が働いているという。実際に歌舞伎町でいろいろ人に話を聞くと、そこにはさまざまな背景があるようだ。あるバーの店長によると、違法に接待させている店は少なくないという。 ◆「キラキラした可愛い場所で働きたい」 「今回の店のように『客には内緒ね』といいながら接待をさせているという話はよく聞きます。店に未成年がいることは他の店と差別化できる部分です。とにかく若い女性がいいという男性のお客さんには喜ばれるから、ひっそりと未成年に接客をさせているのです」 また、あるキャバクラの店員は、働く女性側の意識も変わってきており、未成年が夜の街で働くことへのハードルが低くなっていると指摘する。 「今の未成年は『キラキラした可愛い場所で働きたい』だとか『ちやほやされて楽に稼ぎたい』といった気持ちが強いです。SNSには太客からもらったシャンパンやプレゼントを自慢するインフルエンサーが多い。それを見て、少し頑張れば自分もああいうふうになれるのではないのか考えがちです。 また、メン地下(メンズ地下アイドル)やメンコン(メンズコンカフェ)といった店は、未成年でも入店できます。そこでお金を使うために、夜の街で手っ取り早く稼ごうと考える女性も多い。彼女らに危険に巻き込まれるかもしれないという意識は薄いです」 それ以外にも悪質スカウトが店にわからないように未成年を紹介する例もあるという。 「自分が稼ぐことしか頭にない悪質スカウトは女が稼ぎたいと思ってさえいれば、どんな手段を使っても働かせられる店を見つけます。未成年なのに身分証明書などをごまかして、18歳と偽らせて入店をさせる例もあります。店側も未成年とは知らずに雇っていることもあるのです」(スカウト関係者) 夜の街には少女を食い物にしようとする悪い大人たちが跋扈しているのだ。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文:白紙緑

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