30歳差も「交際していました」…57歳被告「24歳女性をホテルでメッタ刺し殺害か」法廷での言い分

「寝ている女性にまたがり、サバイバルナイフで3回刺した」 冒頭陳述で検察側はこう訴え、被告に強い殺意があったと指摘した。 10月27日に東京地裁立川支部で開かれたのは、殺人の罪などに問われている東京都府中市の石川晃被告(57)の初公判だ。石川被告は’23年2月に、当時24歳の女性Aさんを府中市内のホテルの一室でメッタ刺しにして殺害したとされる。 『FRIDAYデジタル』は発生直後に事件を取材。石川被告とAさんの間に何があったのか。トラブルの内容と、石川被告側の法廷での言い分を振り返りたい――。 ◆「勘違いだった」 「宿泊客と連絡がとれない」 ホテルの従業員から110番通報があったのは、事件翌日’23年2月3日のことだった。警察官が現場に駆けつけると、部屋には首から血を流しベッドに横たわるAさんの姿が。その場で死亡が確認された。 「石川被告とAさんがホテルに入ったのは、前日2月2日午前2時前です。防犯カメラの映像には、約4時間後の午前6時過ぎに石川被告が1人でホテルを後にする姿が映っていました。従業員の110通報後、石川被告の身柄は間もなく確保されます。 ホテルから約1㎞離れた自宅マンションの敷地内で、ぐったりしている石川被告を通行人が目撃。警察官が職務質問し所持品を調べると、Aさん名義のカードが出てきたんです。石川被告の自宅からは血のついたサバイバルナイフも見つかっています。警察の調べに対し『殺害しました』と容疑を認めたうえ、当時54歳の石川被告は30歳差のAさんとの関係についてこうも話していました。『彼女とは交際していました』と」(全国紙社会部記者) Aさんとは出会い系サイトで知り合ったという石川被告。事件直前の’22年12月には「(Aさんに)スマートフォンの決済アプリのカード番号をSNSに公開された」と警察署に相談も、直後に「勘違いだった」と被害届をとり下げる不可解な行動をとっている。 冒頭で紹介した初公判で、石川被告は起訴内容を認めつつ弁護側はこう主張した。 「(Aさんから)『経営するカフェで借金がある』と言われ(石川被告は)1000万円以上のカネを渡した。金銭に関する要求が続いていたため、精神的、経済的に疲弊していた」 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。 「たとえ2人が『交際』していたとしても、男性と女性でとらえ方が違ったと思います。女性とすれば、被告はあくまで金銭的にサポートしてくれる存在だったのでしょう。一方、被告からすれば女性が本当に自分へ好意を持っていると思い込んでいた。 そのため女性から否定的な態度をとられたり、金銭の要求がエスカレートすると不満を募らせたのかもしれません。サバイバルナイフを事前に用意するなど犯行も計画的です。被告のゆがんだ勘違いが生んだ悲劇でしょう」 Aさんとの関係を冷静にとらえられなかった男が、30歳年下の女性の未来を奪ってしまったようだ。

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