水際対策強化へ連携確認 宇部港でテロ対応訓練【宇部】

外国人によるテロや国際組織犯罪を未然に防止するため、宇部港・小野田港テロ対応訓練が28日、宇部市沖宇部の芝中西埠頭(ふとう)で行われた。門司海上保安部、県警、九州運輸局下関海事事務所など両港湾の危機管理に携わる10機関から70人が参加し、本番さながらの訓練を通じて水際対策と危機管理体制の強化について意識を高めた。 訓練は、海外の情報機関から海上保安庁に「宇部港に入港する貨物船にテロリストが乗っている」と通報があり、各機関に情報を伝達したところ、同埠頭に入港予定の船にテロリストが潜伏している可能性が高いと判明した、との想定で行われた。 まず県警のパトカーが埠頭の入り口を封鎖し、接岸した貨物船の船内を宇部海上保安署員4人が捜索。宇部・山陽小野田消防局の救急隊員がけが人を救助し、税関職員らが外国人3人の手荷物検査などを実施したところ、1人がテロリストと分かり逮捕した。 続いて、船内に潜んでいた男1人が拳銃を手に現れると、完全武装した県警の機動隊員らが男を包囲し、抵抗する男を取り押さえた。さらに1人が小型船で逃走を図ると、同海保署の巡視艇が追尾し、警告射撃をして停船させた。 門司海上保安部の喜志多健史部長は「年間数百隻の外国籍船舶が入港する重要港湾である宇部港、小野田港の治安を守るため、関係機関の連携を一層強化していく」と訓示した。

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