名古屋市西区のアパートの一室で1999年、住人の高羽（たかば）奈美子さん（当時32）が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕されたアルバイト安福（やすふく）久美子容疑者（69）=同市港区=が、高羽さんを襲った際に負ったとみられるけがについて、治療を受けた記録がこれまでの捜査で確認されていないことが愛知県警への取材でわかった。 この事件では、99年11月13日午後2時半ごろ、名古屋市西区のアパートの一室で、高羽さんが遺体で発見された。事件の発生直後に現場近くで「手にけがをした女が歩いていた」という目撃情報があり、県警は「左右どちらかの手にけが」として情報提供を求めてきた。 県警によると、安福容疑者は「事件の際に手にけがをした」と話しているという。アパートの玄関には血痕が残されていたが、鑑定の結果、血痕から採取されたDNA型と容疑者のものが一致した。県警は、血痕は手のけがによるものとみている。