昨年11月に兵庫県議を辞職し、今年1月に死去した竹内英明氏に関する虚偽の情報を発信し、名誉を傷つけたとして、兵庫県警捜査2課は9日、名誉毀損(きそん)の疑いで、政治団体「NHK党」代表の立花孝志氏を逮捕した。県警によると、死後の名誉毀損での立件は異例。 竹内氏の妻が8月、同容疑で県警に告訴していた。 妻や代理人弁護士によると、県の告発文書問題を巡り、竹内氏は県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員として問題を追及。交流サイト(SNS)で「斎藤元彦知事失職の黒幕」などとする投稿が拡散され、攻撃の矛先になった。 告訴状によると立花氏は昨年12月、街頭演説で「(竹内氏が)警察の取り調べを受けている」などと言及したとしている。SNS上などで中傷が集中し、竹内氏は「うつ状態」と診断され、今年1月に自死した。 竹内氏の死後も、立花氏は「明日逮捕される予定だった」などと発言した。 ◆ ◆ 同問題を巡っては2024年3月、斎藤元彦知事らを告発する文書を作成した県民局長=同年7月に死去=を県が解任し、同年5月に停職3カ月とする懲戒処分を発表。同年6月には県議会が百条委員会を設置し、竹内英明氏が同委員会委員として追及していた。 誹謗中傷や嫌がらせを受けていたとされる竹内氏が同年11月に議員辞職し、今年1月18日に自死とみられる形で死去すると、立花容疑者は、同氏が兵庫県警の捜査対象になっているという趣旨の発信を交流サイト(SNS)などで重ねた。 当時の村井紀之本部長は直後の県議会で「全くの事実無根」と異例の答弁をした。立花容疑者はその後、投稿を削除するなどし、動画投稿サイトの自身のチャンネルを更新。「兵庫県警御免なさい。竹内元県議のタイホは私の間違いでした。」と題し「警察の逮捕が近づいていて、それを苦に自ら命を絶ったということについては間違いでございました」などとした。 一方、斎藤元彦知事は県警本部長が異例の答弁をした今年1月20日、報道陣の取材に応じ、竹内氏に対する誹謗中傷が拡散している現状については「SNSは、いい使い方、冷静な使い方をすることが大事」と述べるにとどめていた。