(ブルームバーグ):トランプ政権による外国人留学生への対応を巡る裁判で勝訴した大学教員団体のグループが、担当判事にさらなる措置を求めている。教員側は政治的見解を理由に外国人留学生に国外退去を迫った政権の対応は「いじめ」だと主張している。 ハーバード大学職員の団体を含め、米国大学教授協会(AAUP)など複数の教員団体は今夏、米政権による締め付けを巡る裁判で勝訴。パレスチナ支持の政治的発言を理由に留学生を拘束・退去させる米政権の行為は違憲との判決を勝ち取った。 10日の裁判所向け資料によると、教員側は現在、ボストンにある米連邦地裁のヤング判事に対し、判決の範囲を広げ、言論の自由を定めた憲法修正第1条が、政治的発言を理由にした非市民の逮捕・拘束・国外退去を禁じていると、トランプ政権に公に認めさせるよう求めている。 さらに、政府職員が判決を順守するよう、ヤング判事が政権に対し研修の実施を命じることも提案した。 教員側は、政権が自らに批判的な言論を取り締まり続けていると主張。イスラエル批判で知られる英国の政治評論家サミ・ハムディ氏が10月に逮捕・拘束されたことや、9月に保守系の政治活動家チャーリー・カーク氏が殺害された後、同氏を批判した非市民のビザ(査証)が取り消された事例を挙げた。 ホワイトハウスのケリー報道官は10日の声明で「トランプ大統領は常に米国民の安全を最優先する。米国で学ぶことは権利ではなく特権だ」とした上で、「政権は、滞在中の外国人が米国の外交政策上の利益に反する行動を取らないようにしている」とコメントした。 原題:Professors Ask Judge to Get Tougher on Trump ‘Bullying’ Students(抜粋) –取材協力:Patricia Hurtado.(c)2025 Bloomberg L.P.