同業他社の顧客データを不正に持ち出して社内で共有したなどとして、警視庁は、不正競争防止法違反(営業秘密開示など)の疑いで、法人向けの引っ越しサービス運営会社「ビズリンク」(東京都千代田区)社長、早川健容疑者(53)と社員の古吉祐太容疑者(37)ら4人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。 古吉容疑者は1月、同業他社の「リベロ」(港区)からビズリンク社に転職。捜査関係者によると、退職前の昨年11月、ビズリンク社長の早川容疑者らと共謀し、リベロ社内のパソコンに同社の顧客企業のリストを表示させ、スマートフォンで接写。通信アプリで別のビズリンク社員の男に送信し、開示した疑いが持たれている。 持ち出した顧客データはその後、ビズリンク社内で共有されており、警視庁は社員らがデータをもとに営業を行っていた可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べる。ビズリンク社は平成28年に設立。ホームページによると、オフィス移転時の引っ越しや社宅の手配サービスを運営している。