韓国・黄教安元首相の逮捕状請求を棄却 地裁「拘束の必要性不足」

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による「非常戒厳」宣言を巡り、内乱扇動などの容疑で身柄を拘束された黄教安(ファン・ギョアン)元首相が14日、裁判所が逮捕状の請求を棄却したことを受けて釈放された。 ソウル中央地裁は前日、逮捕状発付の是非を判断する令状審査を実施。逮捕状請求について、「拘束の必要性が不足しており、逃走や証拠隠滅の恐れなど拘束理由についても証明が足りない」として棄却した。 内乱事件を捜査する特別検察官チームは12日に黄氏を拘束。同日に内乱扇動や公務執行妨害などの容疑で黄氏の逮捕状を請求した。 黄氏は尹前大統領が宣言した非常戒厳の違法性を認識していたにもかかわらず、昨年12月3日、自身のフェイスブックに戒厳を支持する内容の投稿を行い、内乱宣伝に加担した疑いが持たれている。 投稿では「国を破壊した従北(北朝鮮に従属する)主体思想派勢力と不正選挙勢力をこの機に必ず剔抉(てっけつ)しなければならない」とし、「禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長を逮捕せよ。大統領の措置を正面から妨害する韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表(当時)も逮捕せよ」などと主張した。 特別検察官側は、公安担当検事出身で法務部長官、「未来統合党」(現・国民の力)代表、首相を歴任した黄氏は戒厳の違法性を十分に認識できたとして、内乱扇動の故意を持ってこのような投稿を行ったと判断している。 これに先立ち、特別検察官チームは黄氏の自宅などの家宅捜索を試みたが、同氏はこれを拒否。SNSで捜索令状を発付した判事の実名を明かし、「違法令状」と批判した。さらに、3回にわたる出頭要請にも応じず、身柄を拘束された。 特別検察官側は、令状を直接見ていない黄氏が判事の名前を突き止め、公開したことは司法秩序の毀損に当たり、逮捕の必要性があると主張した。 しかし、裁判所が逮捕状の請求を棄却したことで黄氏は釈放され、拘束されずに捜査を受けることになった。

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