立花容疑者の弁護人「自白勧めた」 示談持ちかけるも遺族は応じず

元兵庫県議に対する名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)について、刑事弁護人の石丸幸人弁護士は14日、容疑者が容疑を認めて謝罪する方針だと明らかにした。 動画投稿サイト「ユーチューブ」の自身のチャンネルで、今後の弁護方針として語った。 立花容疑者は昨年12月に選挙の街頭演説で、元県議の竹内英明さん(当時50歳)について「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言したとされる。さらに、竹内さんが死亡後の今年1月中旬には交流サイト(SNS)などで「竹内元県議は、どうも明日逮捕される予定だったそうです」と投稿するなどした疑いが持たれている。 容疑者は逮捕前に「違法性が阻却される根拠を持って発言している」と語り、自身の発信内容には真実相当性があったとの認識を示していた。 石丸弁護士は動画の中で「立花氏の一番のメリットになる方法を採るべきだということで、当初から自白を勧めていた」と説明。今後について「真実相当性は争わず、罪を認めて謝罪すべきことはする」と語り、この弁護方針に容疑者も納得しているとした。 その上で、竹内さんの遺族へ示談を持ちかけるほか、竹内さんに関する情報を容疑者に提供した人物に対しても連絡を取り、「立花氏に有利な動きを進める」と話した。 名誉毀損罪は発信内容に関し、真実相当性があれば罰せられないとされる。死後の人に対する罪が成立するには、発信者が内容を虚偽であると認識していた場合に限られる。石丸氏は立花容疑者に虚偽の認識があったかは言及しなかった。 立花容疑者はNHKの受信契約に関する個人情報を不正に取得したなどとして、不正競争防止法違反などに問われ、2023年3月に懲役2年6月、執行猶予4年とした1、2審判決が確定している。新たな事件で拘禁刑以上の実刑が確定すれば、執行猶予が取り消される。 竹内さんの遺族の代理人弁護士は、容疑者側から示談を持ちかけられたが、応じなかったと明らかにした。その上で「略式起訴で罰金刑になれば、執行猶予の取り消しは裁判所の裁量になる。そのために示談を持ちかけてきたのではないか」と話した。【木山友里亜】

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