【AFP=時事】中央アジア・カザフスタンの警察は14日、中国の習近平国家主席の肖像画を燃やす異例の抗議デモに関与したとして、12人を逮捕し、6人に罰金を科したと発表した。 中国との国境に近いアルマトイ州で13日に行われた抗議デモの参加者らは、中国がカザフ国民の強制失踪を組織的に実施し、カザフの土地を買いあさっていると非難した。 現地メディアと人権団体によると、アリムヌル・トゥルガンバイ氏が7月に中国西部・新疆ウイグル自治区で国境警備隊に逮捕されて以来、行方不明となっている。 中国政府は長年にわたり、カザフと国境を接する新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数民族ウイグル族を弾圧していると非難されている。 カザフ警察は、抗議デモの参加者たちが「外国の国旗や指導者の肖像を燃やすなどの違法行為をした」と述べた。 デモ参加者のうち12人が拘留刑(最長2週間)、6人が罰金を科されたという。 当局は、刑事事件として捜査も開始。より長期の拘禁刑を科される可能性もあるという。 国連の委員会は、ウイグル族などの少数民族やカザフ国民少なくとも100万人が新疆ウイグル自治区の強制収容所に入れられていると報告している。 だが中国政府はこうした疑惑を否定し、同国の行動は「テロリズム」に対抗し、住民を教育するためのものだと主張している。 中国は中央アジアにおける主要なプレーヤーとなっており、ロシアに取って代わって支配的地位を確立しようと、インフラ整備やソフトパワー事業に多額の投資を行っている。 カザフを含むイスラム教徒が多数を占める中央アジア諸国は、中国政府との強い結びつきの維持を優先し、新疆ウイグル自治区での弾圧を黙殺しようとしている。 インスタグラムに投稿された13日の抗議デモのものとされる動画には、ウイグル族が多く暮らすアルマトイ州のどこかに約30人が集まり、中国国旗3枚と習氏の肖像1枚を掲げる様子が映っている。 参加者の一人は、「私たちはここに集まり、中国の国旗と習近平国家主席の肖像を燃やした」と語った。 さらに、中国がトゥルガンバイ氏を理由もなく拘束し、外国人への農地売却を禁じる法律に違反してカザフの土地を買いあさっていると非難した。【翻訳編集】 AFPBB News