「基本的にはコメントは差し控えていくということだと思います」 兵庫県の斎藤元彦知事は2025年11月11日の定例記者会見で、政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者との関係を追及され、このように述べた。 立花容疑者は、24年11月の兵庫県知事選で斎藤知事の当選を目指して立候補し、「二馬力選挙」運動を行っていた人物。斎藤知事は、立花容疑者に関して具体的なコメントで言及を避ける姿勢を取り続けている。 ■「他の候補がどういう行動をしていたか、認識や留意はしていない」 この日の定例記者会見では、立花容疑者に関する質問が多く投げかけられた。記者から立花容疑者の印象を問われると、斎藤知事は「今、捜査中であるということから詳細なコメントは差し控えたいと思う」と述べるにとどまった。 知事選では、立花容疑者が斎藤知事の街頭演説前後に現れ、演説する様子が多く見られた。その中には、斎藤知事と立花容疑者の選挙カーがそばに停車している場面もあった。立花容疑者は聴衆に対して、「斎藤知事のパワハラはなかった」などと知事を応援する主張を行い、25年1月に亡くなった竹内英明県議を「黒幕」と非難していた。 斎藤知事は11月11日の記者会見で、自身の演説の前後に立花容疑者が演説していたことについて問われると、こう口にした。 「自分自身が街頭演説する際、街頭演説することを精一杯させていただくべく、集中していた。私自身は自分がやることをしっかり集中してやっていたので、他の候補がどういう行動をしていたか、認識や留意はしていない」 そして、知事が望むか望まないかにかかわらず、立花容疑者の主張によって斎藤知事の支持が増えたのでは、と問われると、 「私自身は、当事者として、できることを精一杯させていただいたということ」 と同じような内容で、正面から答えることはなかった。 斎藤知事は、24年12月18日の会見でも知事選において立花容疑者と二馬力選挙だったのは明らかではないかと追及されたものの、この日の会見と同様の回答をしていた。