歌舞伎町でガールズバーやコンカフェの摘発が続いている。 警視庁少年育成課は11月4日、新宿・歌舞伎町のコンセプトカフェ『ZooBOX(ズーボックス)』を摘発。同店の経営者・谷奥亮容疑者(43)を風営法違反(無許可営業)の疑いで現行犯逮捕した。無許可で17歳と20歳の女性従業員2人に、30代男性客2人をボックス席で接待させた疑いだ。 同日午後9時すぎに、捜査員らに囲まれて店から姿を現した谷奥容疑者は毛先をピンクに染めた金髪にスカジャン姿。報道陣のフラッシュを浴びても、まったく悪びれた様子はなく、何ごとかブツブツ呟きながら捜査車両に乗り込んだ。 「17歳の少女は以前に歌舞伎町で補導されており、彼女が店に入る姿を捜査員が見かけたことで事件が発覚しました。少女は以前からコンセプトカフェやガールズバーに憧れがあったそうです。 谷奥容疑者はマイナンバーカードで少女の年齢を確認していました。『接待させなければ大丈夫だと思った』と供述していますが、実際には従業員が動物の耳のカチューシャをつけるなどして接待させていました。谷本容疑者は容疑を認めているとのことです。 実は同店は9月にも行政指導を受けていました。谷奥容疑者は『警察が来たら、キャストが席から立ち上がれば大丈夫だと思った』などと供述しています。警視庁は谷奥容疑者を同法違反(年少者使用)容疑でも送検しています」 歌舞伎町では10月13日にもガールズバー『RaBBi2(ラビッツ)』の経営者が風俗営業の許可なく女性従業員らにカウンター越しに接待をさせた容疑で摘発されている。このときも16歳の少女がカウンター越しに40代の客2人を接待していた。経営者は少女が未成年と知りながら「お客さんの前では未成年と言わないで」と言って接待をさせたことがわかっている。 風営法違反で、ガールズバーやコンカフェが摘発されるのは、無許可で接待をさせたからだ。接待営業をするためには、キャバクラやクラブのように風営法1号許可が必要となる。ガールズバーやコンカフェの中には、この許可を取っている店も存在するのだが、なぜ無許可で営業するのだろうか。その理由について風俗ジャーナリストの生駒明氏は「一番は売り上げが下がるから」だと話す。 ◆15歳~17歳のキャスト目当ての客も多い 「正々堂々と風俗営業の許可を得て、営業をすればよいのではないか、と思うかもしれません。しかし、経営者からすると深夜営業ができなくなるというジレンマがあるのです。接待営業を行う場合は、風営法で営業時間が午前0時まで、大阪・ミナミのような特定地域でも、条例で午前1時までとされています。 ’24年9月に風営法違反(無許可営業)で逮捕された、大阪のコンカフェ経営者の男は、『許可を取ると午前1時以降の営業ができなくなってしまい、収入が減ってしまう』と供述しています」 また、許可を取るのにも地域によっては風俗営業が禁止・制限されていたり、消防署や保健所の許可が下りないケースもある。さらに時間も費用もかかるために敬遠することも多いという。 さらに、コンカフェやガールズバーの経営者が風営法の許可を取りたがらない大きな理由はもう一つあると生駒氏は指摘する。 「『18歳未満を雇用できなくなるから』です。許可を取って社交飲食店に区分されると、キャバクラやガールズバーにはいない15~17歳のキャスト目当ての客がやって来なくなるのです。風俗営業でなければ、飲食店の店員として雇用できます。なお、’22年8月1日に設立された名古屋・大須のコンカフェの自主規制団体『大須コンセプトショップ協会』は、『18歳未満を雇用する場合、身分証と親からの同意書も求める規約』を設けています。また、未成年の客を入れられなくなるからという理由もあります。 ある行政書士によれば『高校生(18歳未満)を雇いたいから、風俗1号営業を取得しないコンカフェが、一番危険だ』といいます。接待に該当する営業をしながら1号許可未取得(無許可営業)のコンカフェは、実態としてまだ多い現状です。その中でも今回のケースのように、18歳未満を雇用している店は、真っ先に取り締まられるでしょう」 カウンター越しに特定の客と話しただけでも「接待」とみなされる、風営法上の「接待」の定義は、厳しすぎるという声も一部にはある。だが、未成年の少女が夜の街で大人を接待するようなことは、やはりあってはならない。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit