他人になりすまして生活保護費を不正受給したなどとして、神奈川県警は19日、神奈川県藤沢市遠藤、無職竹内由美子容疑者(54)を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。黙秘しているという。 再逮捕容疑は2023年9月、収入や預貯金があるのを隠し、50代の女性になりすまし横浜市神奈川福祉保健センター(神奈川区)に生活保護費の支給を申請。同年10月~昨年2月に計5回、現金約96万円を受けとったというもの。 捜査2課によると、竹内容疑者は自身やこの女性名義で県内に複数のアパートを借り、相模原市南区や藤沢市など県内数カ所の自治体から不正受給を繰り返していたとみられる。最大で県内6カ所の自治体から同時期に生活保護費を受給し、ひと月で合計70万円以上に上ることもあったという。 昨年2月ごろ、同センターが不審に思い調査を開始。不正受給の疑いが判明し、複数の自治体が県警に告訴していた。 同課によると、竹内容疑者は、自身が県内で借りたアパートをこの女性にまた貸しした際に得た個人情報をもとに他のアパートを借り、不正受給を繰り返したという。同課は、竹内容疑者がアパートのまた貸しにより賃料収入も得ていた可能性もあるとみて捜査している。 竹内容疑者は10月、相模原市南区でもこの女性の名義で生活保護費計176万円を不正受給した詐欺などの容疑で、県警に逮捕された。 横浜市神奈川区生活支援課によると、申請後、住居や資産を確認するための調査や面談をするが、写真付きの身分証による確認は必須ではないという。同課は、今回の事件について「調査は適切に行っていたが、見抜くのは難しいケースだった」としている。(奥田薫子)