【ロンドン=黒瀬悦成】20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が22日、南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで2日間の日程で開幕した。日本からは高市早苗首相が出席した。議長を務める南アのラマポーザ大統領は金融・経済分野などでの多国間協力を確認したい考えだが、トランプ米大統領は出席を拒否し、サミットの首脳宣言を出さないよう事前に警告するなど、波乱含みの幕開けとなった。 今回はアフリカで初めてのG20サミット。議長国の南アは、途上国の債務軽減策や重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化を主要議題とした。初日は、米政権が発動した高関税政策の悪影響を受ける世界経済や貿易の先行きについて議論する。 米国はトランプ氏が南アでの人権侵害を一方的に訴え、米政府当局者が公式協議に一切参加しない。中国は習近平国家主席に代わって李強首相が出席。ウクライナを侵略したロシアのプーチン大統領も、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出したため参加せず、G20の牽引役である米中露のトップが不在という異例の事態となった。 首脳宣言が発表されない事態となれば、2008年のG20サミット開始以来、初となる。南アのラマポーザ氏は、米国抜きで事実上の宣言の取りまとめを進めており会議の冒頭、「宣言の採択に向け、圧倒的な合意が得られている」と述べた。