茨城県河内町下加納の住宅で7月に住人男性(73)=当時=が刺殺され車や財布を奪われた事件で、県警が、強盗殺人容疑で逮捕した取手市、無職、男(75)の関係先から被害男性の血が付いた複数の包丁を押収していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。県警竜ケ崎署捜査本部は凶器とみて、男性を狙った経緯などを捜査している。 県警はこれまでに、事件現場や男の自宅などの関係先から複数の刃物を押収している。捜査関係者によると、被害者の血が付着していた包丁は遺体の傷の特徴ともほぼ一致しており、凶器の特定を急いでいる。 男が事件後、男性宅から奪った乗用車に、別の盗難車のナンバープレートを装着して逃走していたことも判明。2024年に同県つくば市内で盗まれた車両のナンバーだったといい、数字などが精巧に偽造されていた。県警は計画的な犯行だったとみて調べている。 男は7月1日、金品を奪おうと男性宅に入り、首や胸を刃物で突き刺すなどして殺害し、乗用車(時価約80万円相当)や財布を奪ったとして26日に逮捕された。男性の親族との間で金銭などを巡るトラブルがあったという。男は「関係ない」と容疑を否認している。 県警は27日、強盗殺人の疑いで男を水戸地検に送検した。男は午前7時33分、留置先の竜ケ崎署で、茶色のフリースと灰色の長ズボン、マスク姿で終始顔をうつむけ、報道陣に背を向けながら移送車両に乗り込んだ。