人やお金の流れが増えることで事件・交通事故が増える傾向がある年末を控え、警視庁は4日、署長会議を開いた。都内の102署長や本部の幹部ら約260人が、課題や対策について共有した。 警視庁では11月、匿名・流動型犯罪グループ(匿流)に捜査情報を漏らしたとして暴力団対策課の警部補が地方公務員法違反容疑で逮捕され、12月3日に別の捜査情報の漏洩(ろうえい)容疑で逮捕された。この日は、会議の冒頭、都公安委員会の広瀬道明委員長が事件に触れ、「警察の総力を結集し、壊滅に取り組む最中に起きた。都民・国民の信頼を大きく損ね、使命を果たすべく必死に頑張る仲間をも裏切るもので許しがたい」などと指摘。組織としての対応力が警察の強みだとして、「警察官同士の強い絆」を大切に不断の点検と改善を求めた。 一方、迫田裕治・警視総監は「犯罪組織に取り込まれてしまったもので、断じて許されるものではなく、極めて遺憾」とし、「職員一人が惹起(じゃっき)した不祥事案が社会と組織に与える影響の大きさ」を部下に認識させ、再発防止に万全を期すよう幹部らに指示した。(八木拓郎)