袴田さん弁護団、議員立法での再審制度見直しを要請 静岡で会見

刑事裁判をやり直す「再審制度」の見直しをめぐり、再審で昨年無罪が確定した袴田巌さんの弁護団が4日、改正を目指す議員連盟に対し、議員立法による改正案の早期成立を求める要請書を提出した。 袴田さんは1966年に起きた一家4人殺害事件で逮捕され、80年に死刑が確定した。再審を求め続け、弁護団が提出した新証拠に基づいて2014年に再審が始まったが、検察側が抗告し、無罪が確定するまでに長い時間がかかった。 再審制度改正をめぐっては、現在法制審議会(法相の諮問機関)の部会でも改正に向けた議論が進んでいる。だが、要請書は、法制審では開示対象とする証拠を限定する方向で議論が進んでいるほか、検察官の抗告禁止への反対が多数だと指摘。内容が不十分だとして、議員立法での改正を求めた。 弁護団は衆院議員会館で要請書を議連の柴山昌彦会長らに提出したのち、静岡市内で記者会見を開いた。団長の小川秀世弁護士は、「いま審議会で議論しているやり方では、重要な証拠が開示されないで終わってしまう」と懸念を示した。 会見には、巌さんの姉・秀子さんも同席。「議員連盟の方で優先してやってほしい。せっかく皆さんが一生懸命になっているので、盛り上げていってほしい」と話した。(滝沢貴大)

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