点呼や安全運転指導を行う「安全運転管理者」を選任していなかったとして、警視庁交通捜査課は11日、道交法違反(安全運転管理者不選任など)の疑いで、医薬品や検体の運送事業を行う「メディスケット」(埼玉県三郷市)副社長の男(43)=東京都東久留米市=と、法人としての同社を書類送検した。起訴を求める厳重処分の意見を付けた。 副社長は検体集荷業務の責任者で、「選任しなかったことは間違いないが、法律の解釈の誤りがあった」と容疑を一部否認しているという。 7月、新宿区四谷の上智大付近の交差点で、血液検体を輸送中だった同社の軽貨物車が暴走し、青信号で横断歩道を渡っていた上智大生2人がはねられ、全治3カ月の重傷などを負う事故が発生。運転手の男性(52)=自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕、不起訴=は当時、熱中症で意識を失っていた可能性があり、事故を契機に警視庁が同社への聞き取りや資料の捜査を行っていた。 書類送検容疑は令和5年10月~7年7月、6事業所で車両5台以上を使用していたにもかかわらず、法令に定められた安全運転管理者を選任しなかったなどとしている。 道交法は、自動車を使う事業所で車両5台以上を使用する場合などに安全運転管理者を、20台以上では副安全運転管理者を置くよう定めている。メディスケット社の東京23区内の6事業所では、車両がそれぞれ17~33台あった。