ついに『新東京水上警察』(フジテレビ系)の碇(佐藤隆太)が、東京湾を縄張りとする犯罪集団のリーダー・黒木謙一(柿澤勇人)と直接対決をすることになった。 このドラマは、増加する水上犯罪を取り締まるために「東京水上警察署」が発足したところから始まった。しかし観閲式を行おうと署長が張り切っている最中、介護施設での毒殺事件と、東京湾に浮かぶ人工無人島での射殺事件が発生。介護施設でケアスタッフとして働いていた三上(松本怜生)、さらに碇が強盗容疑で目をつけていた田淵(山崎裕太)が事件に関わっていること、そして田淵が警備艇を乗っ取り観閲式に突っ込もうと計画していることが明らかになる。その様子を遠くから見物していたのが、黒木だ。 彼は、“湾岸ウォリアーズ”という暴走族団体のリーダーを務めていた人物で、今も人材派遣会社の代表という立場で名を轟かせている。三上や田淵が彼と関係があると知った碇は、早々に黒木に目をつけるが逮捕するまでには至っていなかった。その後、黒木が自ら手を下していないとはいえ、彼の会社とつながっている人物が船内で殺害される事件が発生。黒木は東京湾を守ろうとする水上警察の目をかいくぐり、水面下で良からぬ計画を進めているのでは? という疑惑が浮上する。 黒木はいわゆるチンピラではない。見た目は誠実な社会人そのもので、優しい人なのではないかと気を許してしまいそうになるのもよくわかる。だからこそ、一瞬見せる真剣な表情にはより一層の恐怖を感じるのだ。 黒木を演じる柿澤勇人は、多くの作品でバイプレーヤーとして存在感を高め、2026年1月期はTBSドラマストリーム『終の人』で主演を務めていることも発表されている。劇団四季に所属していた経験を持ち、今でも数多くの舞台に立っているからか、映像作品で観る時の凜とした佇まいに目を奪われてしまうのも納得だ。最近では『ライオンの隠れ家』(TBS系)で、母子行方不明事件を捜査する刑事を演じ、温かくもズンとした重さがある物語に確かな奥行きを与える存在となった。