シリーズ年末回顧。第7回は、岡山・香川で過去最悪となった詐欺被害についてです。被害急増の背景には、SNSを使った巧妙な手口がありました。 2025年、岡山・香川で過去最悪となった詐欺被害。特殊詐欺やSNSを使った投資・ロマンス詐欺で岡山では約27億1000万円が、香川では約33億5000万円がだまし取られました。中でも香川県では、被害件数、被害総額いずれも過去最悪となっていて、現在、2025年で2回目の特殊詐欺等警戒全県警報が発令されています。 香川県警生活安全企画課の香西調査官は、被害急増の背景にはSNSを悪用した巧妙な手口があると言います。 (香川県警生活安全企画課 香西克洋調査官) 「身近なところでSNSを利用する人が若い世代、高齢世代でいる。最初の被害の入り口は、SNSはキーワード」 SNSを使った手口で、特に被害が増えたのが、警察官をかたった特殊詐欺です。 〇警察庁動画 「私、警視庁捜査2課のヨシオカと言います。○○さんは組織犯罪処罰法といって詐欺罪、マネーロンダリングの犯罪行為に当たる」 LINEなどのSNSを使って「あなたは逮捕される」などと脅し、金銭をだまし取る手口で、特殊詐欺の被害総額の約8割を占めました。 こうした詐欺で被害が増えたのが若者です。 (香川県警生活安全企画課 香西克洋調査官) 「偽の逮捕状を見せられると焦ってしまう。逮捕を免れたいという気持ちから相手の言われるままに対応して被害に遭っている」 これまで高齢者の被害が多かった特殊詐欺ですが、県内では2025年、20代の被害が急増。5月から9月まで、20代の被害が最も多くなり、全体の2割を超えています。 SNSを使った手口はほかにも。 (香川県警生活安全企画課 香西克洋調査官) 「偽のアカウントで投資の話をいきなり話題に持ってきたり、著名な投資家や芸能人をかたった広告を見てクリックして話が発展して被害に遭っている」 投資家や著名人をかたったなりすましアカウントや広告から、投資に誘導し、金銭をだまし取る手口も拡大しました。SNSを使った詐欺で、投資名目の被害総額は約20億8900万円で、被害者の約7割が40代から60代の働き世代となっています。 香川県警が詐欺被害に遭った人を対象に行った調査では、「自分は被害に遭わない」「考えたこともない」と回答した人が全体の7割以上を占めていたといいます。 (香川県警生活安全企画課 香西克洋調査官) 「冷静になって考えるとだまされないだろうと思う人は多くいると思うが、その状況に置かれてしまうとのめり込んでしまう、もうかってしまうという気持ちがどうしても勝ってしまう。人間の心理の弱い部分を犯人はついてくるので、(SNSで)直接会ったことのない人とのやりとりは危険。自分が狙われているという気持ちを持ってもらいたい」 世代を問わず広がる詐欺被害。被害を防ぐためには、一人一人が危機意識を持つことが欠かせません。